中国、台湾産バンレイシの輸入再開を発表 「中国政府に振り回されたくない」と生産者

2023/06/26 更新: 2023/06/26

中国で台湾政策を担う国務院(政府)台湾事務弁公室(国台弁)は20日、台湾産の果物バンレイシについて「安全性が確認できた」として、2021年9月から続けていた輸入停止措置を取りやめ「即日輸入を再開する」と発表した。

ただし、再開されるのは台湾全体で1009園あるバンレイシの果樹園のうちの25カ所、50社ある包装業者のうちの3社にとどまる。

バンレイシは釈迦頭(しゃかとう)とも呼ばれる南国産の果物で、クリーミーな果肉の甘みとほのかな酸味が特徴。台湾では一般的な果物として生産され広く親しまれているが、日本国内での生産は非常に少ない。

また、生のバンレイシは日本への輸入が許可されていないため、日本では、冷凍もののバンレイシを除けば食べる機会がほとんどない果物である。

中国は2021年3月に台湾産パイナップルを、同年9月には「害虫の検出」を理由にバンレイシとレンブの輸入を停止するとした。しかし、中国側の措置はいずれも科学的根拠を示さない一方的なもので、「とても受け入れられない」として台湾側は反発を強めていた。

中国側の輸入停止を受けて、かつて台東市でパイナップルやバンレイシを栽培していた果物農家の周さんは「信用できない中国政府には、これ以上振り回されたくない」として、2年前から生産の主力をアボカドなどへ変更したという。

中国側がバンレイシの輸入を再開しても、周さんは「今更、もう元の道には戻りたくない」として、中国を輸出先とするバンレイシ栽培は再開しない考えを、新唐人(NTD)テレビの取材に答えた。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
関連特集: 国際