ワクチンをめぐって 見たことのない血栓を遺体から発見する人々と、それを「ナンセンス」と非難する人々

遺体から出る「白い繊維状の血栓」はワクチン陰謀論? 発見者、葬儀業者、公的機関で割れる意見(2)

2023/10/22 更新: 2023/10/23

エンバーマーらの反応

カナダのエンバーマーであるローラ・ジェフリーさんは2021年初め、遺体の静脈と動脈から白くて長いゴム状の塊を引き抜き、奇妙に思ったという。「最初から何かがおかしいと分かっていました」と語った。

あるケースでは、亡くなった女性の動脈から白い糸状の塊がぶら下がっているのを見つけたという。「長さは8インチほどで、枝分かれしていた」とジェフリーさんはエポックタイムズに語った。

「病理医が切った跡がありましたから、解剖のときにその白い糸状のものがなかったとは言えません。防腐処理をする私がそれを取り出さなければなりませんでした」

ジェフリーさんは、その障害物への対処によって仕事がだんだんとやりづらくなったという。同僚に相談しようともしたが、言わないほうがいいという空気に直面したそうだ。

2020年3月30日、スペイン・マドリードの死体安置所(Comunidad de Madrid – Handout/Getty Images)

ジェフリーさんが暮らすオンタリオ州から1万3千km以上離れたニュージーランドのエンバーマーも、同様の発見をしたと認めた。

エンバーマーは「私が回答していることを同僚に知られたくありません」と述べ、匿名を条件にエポックタイムズにメールで返答した。

「私の職場でこれは陰謀論だと思われていて、誰も話題にしたがりません。このことを話そうとしましたが、黙らされたどころの騒ぎではありませんでした」

コロラド州の葬儀業者はエポックタイムズに対し、次のように語っている。

「あらゆる年齢の遺体から白い繊維状の血栓が見つかっています」

「たとえば、20代後半の遺体を解剖した事例では、死因は血栓とは無関係で(家族歴なし)でした。その人は健康で体を大事にしていました。下部動脈に2つの大きな白い塊を見つけましたが、このような血栓は通常この部位には見られないもので、特に今回のような死の様態ではなおさら考えられないことです」

この葬儀業者は、エンバーミングの前にその故人がワクチン接種と追加接種を受けたかどうかを尋ねるようになったという。

2016年10月30日、フィリピンのマニラにあるベロニカ・メモリアル・チャペルの遺体安置所内で、遺体を処置する前に防腐処理器具を準備するエンバーマー(Noel Celis/AFP via Getty Images)

「ワクチン接種を受けていない死亡者にこうした血栓は見つかっておらず、見つかるにしても正常な血栓と良好な排液だけです」

「ワクチン接種を受けた患者には、血液自体の粘度を変化させるほどの大きな血栓が見つかっています。これほど多くの糸状の血液によって排出が妨げられているのは、今まで見たことがありません」

エポックタイムズの調査に応じたニュージーランドの葬儀場のエンバーマーは、訓練開始から6か月目に初めて白いフィブリンの塊を見たときの様子を説明してくれた。

当時の上司は「それが何なのか分からない」と言ったという。

「同じくエンバーマーである私のマネージャーに尋ねましたが、彼は新型コロナウイルス感染症の流行前にもそうした血栓を見たことがあり、関連性はないと言いました」

最初の発見以来、彼は今でも奇妙な白い塊を「かなり定期的に、さまざまなサイズで、脂肪の塊や通常の赤い血栓の有無にかかわらず」目にしているという。

2016年10月13日、アリゾナ州ツーソンのピマ郡監察医務院の遺体安置所にある遺体袋(Frederic J. Brown/AFP via Getty Images)

「死亡者のワクチン接種状況や死因以外の最近の健康問題については詳しく知らないため、直近の新型コロナへの感染やワクチン接種との間に関連性があるかどうかはお答えできません」

自分の発見について他の同僚と議論しようとしたが、検討中のその他のまれな症例と同様、このテーマに関して「聞くな、語るな」という雰囲気が明確に漂っていたという。

テキサス州にある大型の遺体安置所の葬儀業者は、いくつかのエンバーミングの事例で血栓を見たという。しかし、それ以上のコメントをするには血栓についてもっと知る必要があると述べ、コメントを控えた。

ニューヨーク市に拠点を置く葬儀屋も、エポックタイムズに対し「繊維状の血栓の症例をいくつか見ました」と語った。

ユタ州のある葬儀業者も、中年の遺体に血栓を見つけたと認めた。

30年以上この仕事に携わるユタ州の別のエンバーマーは、「エンバーマーらがこの症例の増加を実感しているのであれば、その理由を解明する必要があります」とエポックタイムズに語った。

「奇妙なのは散発的なところです。ある地域ではその症例がよく見られますが、他のエンバーマーはその症例を全く目にしていません。彼らはそれについて話したくなく、陰謀だと考えています」

それゆえに、これらの事例証拠にはさらなる研究が必要であるとこのエンバーマーは考えている。

2020年12月24日、メリーランド州ボルチモアで、新型コロナの犠牲者の遺体を病院の遺体安置所からバンに搬送するメリーランド火葬サービスのスタッフ(Andrew Caballero-reynolds/AFP via Getty Images)

オクラホマ州の葬儀屋はエポックタイムズに対し、「この葬儀場のエンバーマーは全員、過去2年間のエンバーミング中に何度もこの現象に遭遇しています」と語った。

37年間この仕事に携わるケンタッキー州の葬儀業者も、「異常な血栓」が見られるようになったと語った。

一方、オハイオ州の別のあるエンバーマーは「これは全くの誤りです。白い繊維状の血栓など存在しません。我々は年間1800件以上の防腐処理を行っています」と述べた。

エポックタイムズの取材に応じたオーストラリアの3つの葬儀場のうち2つは、血栓や「白い繊維状の血栓」の増加は見られなかったと述べた。「多忙な葬儀屋にこのばかばかしいたわごとを送り続けるのはやめてください」という返答まであった。

あるカナダ人の回答者は「フィブリンの塊は見たことがない」と述べた。

英国の葬儀業者は、エポックタイムズのメールをスパムとして報告するつもりだという。「くだらないプロパガンダを広めることだけを目的としている」として質問には応じないと答えた。

エポックタイムズ記者。アリゾナを拠点に米国時事を担当。