垂秀夫駐中国大使は28日、スパイ容疑で中国共産党に拘束されているアステラス製薬の現地法人幹部の日本人男性と面会した。松野博一官房長官が29日の記者会見で明らかにした。健康状態に特段問題はなく、日本政府は我が国の厳正な立場と邦人の早期解放を強く申し入れしていく構えだ。
邦人男性が3月に拘束されて以降、在中国日本大使館員による領事面会は複数回行われたが、大使との面会は初めて。本人に確認したところ、これまでの面会時と同様、健康状態に特段の問題は生じていないという。
男性は今年3月、帰国直前に反スパイ法に違反した疑いで中国共産党の国家安全当局に拘束され、10月に正式に逮捕された。
松野官房長官は会見で、政府はさまざまなレベルや機会を通じて邦人の早期解放を求めていると述べた。「邦人保護の観点から、ご家族、関係者との連絡など、できる限りの支援を続けている」と語った。
2014年に「反スパイ法」が施行されて以降、中国では17人の日本人が拘束され、10人が実刑判決を受けている。
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