[コロンボ 13日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は12日、29億ドル規模のスリランカ向け拡大信用供与措置(EFF)について理事会が初めての審査を行い、約3億3700万ドルを供給することを承認したと発表した。債務再編や歳入の目標が達成されれば、2回目の審査は来年前半に完了する可能性があるという。
スリランカは昨年、物価急騰や通貨下落、外貨準備高の減少に伴って1948年の独立以来、最悪の金融危機に見舞われ経済が底なしの状態へと悪化した。
IMFの資金供給は経済立て直しの国際支援の一つで、今回の資金供給により支援総額は約6億7000万ドルとなる。
IMFのスリランカ担当シニアミッションチーフ、ピーター・ブロイヤー氏は13日の会見で、IMF代表団が3月にスリランカを訪れ、2回目の審査はその約2ヵ月後にまとまる可能性があると語った。
スリランカは、中国、日本、インドを含む公的債権者と合意に達するだけでなく、対外債務を再編するための対外民間債権者との合意も、審査完了前に行う必要がある。
ブロイヤー氏は「来年はプラス成長を予想している。スリランカ経済が危機から安全に脱出するためには、改革の勢いを持続させることが本当に重要だ」と語った。
スリランカ経済は今年は3.6%のマイナス成長となるが、来年には景気拡大が加速し、1.8%の成長が見込まれるという。
スリランカがIMFのプログラム通りに推移するためには、税収を増やし、赤字の国営企業を改革し、外貨準備高を増やす必要がある。
ブロイヤー氏は、債務再編の中核部分は完了しているため、中国は日本とインドが共同議長を務める公的債権者委員会に参加する必要はないと述べた。
副専務理事の岡村健司氏は「公的債権者との(債務再編合意に関する)覚え書きを早期に完成し、署名することが重要だ。時宜を得て合意内容を実行に移し、外部の民間債権団との間でも同様の条件で決着に至ることができれば、スリランカが中期的な債務持続性を回復することに寄与するだろう」と述べた。
スリランカは10月、実務レベルでEFF実行について最初の合意に達していた。ただ、対外債務の一部を対象にした再編に関して債権者間で合意が成立するまで、理事会は承認を待つ必要があった。
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