米国のリック・スコット上院議員は15日、シナモンアップルソースのパウチから高濃度の鉛が検出されたとの報告を受け、製品に使用されているシナモンが中国から輸入されたかどうかを調査するよう食品医薬品局(FDA)に要請した。過去には「中国共産党が経済的動機に基づく不純物混入に関与したため、米国人が死亡した例がある」と危機感をあらわにした。
スコット氏が調査を求めているのはWanaBanaアップルシナモンフルーツピューレ、SchnucksとWeisブランドのシナモンアップルソースのパウチ。全国の小売店舗やアマゾンなどオンライン店舗で販売されていたが、現在、製品はリコールされている。
FDAによれば、5日までに、米国内でアップルピューレのパウチを食べた子供64人(6歳未満)が鉛中毒と診断された。鉛中毒は頭痛や嘔吐、体重減少などを引き起こす。メーカーはFDAと連携して汚染源の調査を行なっている。
スコット氏はFDAに宛てた書簡の中で「中国から輸入したシナモンから高濃度の鉛が検出された可能性が高い」と指摘。「(これらの鉛は)製品が栽培された土壌やサプライチェーンにおける汚染、あるいは製品の重量を増加させるためにクロム酸鉛を添加するような経済的動機による混入の可能性がある」と述べた。
「これは米国のサプライチェーンの脆弱性を示す深刻な問題だ」とスコット氏は強調し、対策を急ぐようFDAに求めた。
米国では2008年、汚染された血液の抗凝固薬ヘパリンを中国から輸入した結果、81人が死亡する事故が起きた。また中国でも同年、有害物質メラミンに汚染された粉ミルクを飲んだ乳児6人が死亡している。
スコット氏は書簡の中で、一般的なハーブやスパイスの重金属汚染防止に関する方針や、調達元を精査しているかどうか、そして「責任を取らない」性質を持つ共産主義政権の中国が供給するシナモンへの危機意識などについて、FDAに一連の質問を提出した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。