今月13日に投開票が行われた台湾の総統選挙は、世界の注目を集めた。選挙結果もさることながら、いま世界が注目し、称賛しているのが「台湾の開票プロセスの透明性の高さ」である。
世界が称賛した「台湾選挙の透明性」
米共和党の大統領選挙候補者をはじめ、多くの人が台湾の選挙システムに対して「驚きを隠せない」と感嘆する。
米共和党の大統領選挙候補(2024年)で政治経験がない若きインド系米国人の実業家、ビベック・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)氏は台湾選挙の日、自身のSNSツイッター(現X)に台湾の票集計の様子を捉えた動画を添付したうえで、次のように評した。
「これが台湾のやり方だ―完全なる透明性―我われとは違う」
ビベック氏はまた「賴清徳氏が台湾総統に当選した。彼は、反共産主義者であり民族主義者だ」と称賛した。
(ビベック・ラマスワミ氏のSNS投稿)
ドイツ誌「デア・シュピーゲル」のCornelius Dieckmann記者も、自身のSNSを通じて「台湾選挙の開票の透明性」を以下のように称賛し、票集計の動画を添付した。
「台湾の民主主義が機能している。投票用紙は1枚1枚、人々に見えるように(開票スタッフによって)高く掲げられた」
「開票の結果は、大声で繰り返し叫ばれる。そして外部から見える表示板に貼られた紙の上で集計される」
「誰でも(開票や票集計の様子を)見たり、写真や動画を撮影できる。投票箱が空(から)になると、職員はそれが本当に空であることを人々に確認させている」
「紙の投票用紙」が中共の干渉を防ぐ
台湾の選挙では、有権者に対し、指定された投票所で直接投票することを求めている。全て「紙の投票用紙」が使用され、 不在者投票や期日前投票、代理投票、電子投票などの方法はない。
有権者が投じた票は、スタッフ証を胸につけた専門の職員が投票箱から1枚ずつ取り出して高く掲げ、不正のないように読み上げられる。集計担当のスタッフは壁などに掲げられた大きな紙に集計の「正」の字を手書きしていく。こうした票集計の過程は、完全に公開されている。
なんというアナログ的な、しかし、見事なほど確実な方法である。これこそ、中共の選挙干渉を防ぐための、最良の方法だったのだ。
台湾の政治学者で台湾国立政治大学助教授の家南樂(Lev Nachman)氏は、「台湾の選挙制度がこれほど強大なのは、その透明度の高さにある。紙の投票用紙であれば、ハッキングできないからだ」と指摘している。
台湾が不在者投票や期日前投票を認めないのは「中国共産党による民主選挙への干渉を防ぐためだ」とされている。
ソーシャルメディア上では今、台湾の選挙制度に感嘆し、称賛する投稿があふれている。「透明度の高い台湾の選挙は素晴らしい。西側諸国も、これを見習うべきだ」とする声が広がっている。
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