19日、江西省萍郷市の農産物卸売市場「城南市場」で撮影されたという「精肉に謎の液体を塗る」内容の動画が、中国の大手検索サイト百度(バイドゥ) のホットリサーチ入りし、物議を醸している。
動画のなかに、手に刷毛(はけ)を持った男が映っている。マスクや手袋は、つけていない。その男が、まるでペンキを塗るように手際よく、やや灰色がかった肉の塊に「赤い液体」を塗っていた。
何らかの色素と思われるが、この謎の液体を塗られた肉はすぐに赤く染まり、いかにも「赤身のきれいな、血も滴る新鮮なお肉」へ変身している。
要するに、商品価値を上げるため、肉の色を良くして、見た目をごまかしているのだ。
この「赤い液体」が何であるか。人体への影響はないのか。食品安全の法令に則っているか、などの疑問については、動画の映像からはわからない。
ただ、こうした「精肉用の赤ペンキ」が存在する以上、少なくとも中国国内においては「ここだけの事例」とは考えにくい。
しかも、それを悪びれもせず「生の食材に色を塗って、見た目の鮮度をごまかす」という不徳きわまる思考には、さすがの中国人でもゾッとするほどの恐怖感と不快感を覚えたはずだ。ホットリサーチ入りは、その反映であろう。
動画撮影者によると、肉は冷凍された羊肉で「赤い液体を塗ることで、屠殺されたばかりの新鮮な肉であるかのような印象を与えている」という。
「色づけ羊肉」はその後、大手の各市場へ送られて、小売店や料理店に販売される。
中国メディアによる事実確認に対して、現地の市場管理当局は「動画に撮られた件は、確かに地元の農産物卸売市場で行われたことだ」と回答している。
(江西省の農産物卸売市場で、肉に「謎の液体」を塗る男)
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