米国のスコット・ペリー下院議員らは19日、世界経済フォーラム(ダボス会議)が「反米的」であるとして「ダボス会議への資金提供を禁止する」法案を提出した。
ペリー氏を含む6人の共和党下院議員が提出した法案は、米国務省、米国国際開発庁、あるいはその他の省庁が世界経済フォーラムに資金を提供することを禁止する。
ペリー氏は声明で「米国の納税者に、グローバル・エリートが毎年行く“スキー旅行”の資金を強制することは、馬鹿げている。世界経済フォーラムは米国の資金援助を1セントたりとも受ける資格はない。ダボス会議への資金援助を打ち切る時が来たのだ」と強調した。
さらに、スイスのダボスで開催される世界経済フォーラムの年次総会は最高経営責任者(CEO)や世界の指導者などが集まり「世界的な連帯や世界の飢餓を解決するために虫を食べるといったエリート主義的でディストピア(否定的に描かれたユートピア)的なアイデアについて議論する」場所だと指摘した。
法案を共同提出したトム・ティファニー議員も「法案は、米国の税金が世界経済フォーラムと彼らのリセットに流れないことを保証するものだ」と述べた。
「リセット」とは、世界経済フォーラムの創設者であり会長でもあるクラウス・シュワブ氏が共著『グレート・リセット』で提唱している考え方を指す。シュワブ氏は、米国を含むすべての国が参加しなければならない「社会と経済のあらゆる側面を刷新する」ための世界的な取り組みだと主張している。
グレート・リセット
シュワブ氏は、グレート・リセットのアジェンダには3つの主要部分があると説明した。1つは、化石燃料からの脱却や富裕税を課すなど「市場をより公正な結果に導く」ことである。
2つめのアジェンダは、「グリーン」なインフラを含む「平等や持続可能といった共有目標」の達成のために投資が行われるようにするための対策だ。
3つ 目は、人工知能などの「第 4 次産業革命のイノベーションを活用」して「公益を支援」すること。これには感染症や予防接種状況を追跡するメカニズムを作成するなどして、健康と社会の課題に対処することなどが含まれる。
今年の世界経済フォーラムでは、社会正義運動家であり、国連事務総長特別顧問(UNSGSA)を務めるオランダのマクシマ王妃が「誰がワクチン接種を受けたか」を追跡するために、政府が使用できる生体認証デジタルIDカードの幅広い採用を促した。
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