中国のハッカー攻撃、フィリピン大統領や政府機関のウェブサイトを狙う

2024/02/06 更新: 2024/02/06

フィリピン情報通信省当局者は2月5日、中国からのハッカーが1月にフィリピン大統領や政府機関のウェブサイトや電子メールシステムへの侵入を試みたが、失敗に終わったと発表した。問題のハッカーは、中国のユニコムのサービスに辿り着いた。

情報通信技術省(DICT)のレナト・パライソ報道官はフィリピンのDWPMラジオに対し、1月のハッキングはDICTのメールボックス、ナショナル・コースト・ウォッチ・センターやフィリピン大統領マルコス・ジュニア氏の個人ウェブサイトなどを標的にしたと明かした。

パライソ報道官は「我々はこの攻撃をどこの国によるものとも断定していない。ただし、IPアドレスによって、中国からの攻撃であることを突き止めた」と述べた。当該ハッカーはチャイナ・ユニコムのサービスを使っていたと付け加えた。チャイナ・ユニコムは中国共産党(中共)政権の国営企業である。

チャイナ・ユニコムと在フィリピン中国大使館は、ロイターのコメント要請に応じなかった。

この事件は、フィリピンと中共が南シナ海での主権をめぐる紛争を続けている最中に起きた。フィリピンは、中共の中国海警局船が放水銃を使用し、危険な妨害を行うことで、南シナ海でのフィリピン船舶の補給任務を妨げていると非難していた。

フィリピンは、南シナ海の仁愛礁(セカンド・トーマス礁)付近で座礁軍艦シエラマドレ号に駐留する少数の部隊に定期的に物資を供給している。仁愛礁は、国連が承認したフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内にあるが、中共はこの岩礁の主権を主張し、その地域で多数の船舶を配備して巡回させ、フィリピンが補給任務を実行するのを妨害してきた。

フィリピンは、サイバー攻撃やデジタル犯罪に対抗するため、サイバー保護を強化することを目的とした5年間のサイバーセキュリティ戦略を策定している。 フィリピン軍は昨年、サイバー司令部を設立すると発表した。