日英伊による次期戦闘機、2月末にも与党間で結論 3月に開発企業協議が本格化

2024/02/06 更新: 2024/02/06

木原稔防衛相は6日の会見で、日英伊による次期戦闘機(GCAP)の共同開発について、3月以降に開発企業間で協議が本格化することから、戦闘機の第三国移転を含め2月末に与党間の結論を得ると言明した。

日英伊の3国は昨年12月に東京で防衛大臣会合を開き、次期戦闘機の共同開発を目指す国際条約に署名した。史上初めての欧亜を越えた戦闘機研究開発協力プロジェクトであると同時に、日本が第二次世界大戦後、米国以外の国と行う大規模な軍事技術協力計画となる。

木原氏は会見で、次期戦闘機の第三国への移転に関する与党協議について岸田総理が2月末に結論を出す時期だと示したことを再確認し、防衛装備品の高性能化・高額化の現状を説明。技術や資金面でパートナー国との分担が、国際共同開発・生産するうえで、航空機分野で国際共同生産が調達価格低下に寄与すると強調した。

日本は歴史的経緯から防衛装備品の第三国への輸出規制に基いて厳しい制限を設けてきた。14年に定められた防衛装備移転三原則のもと、自民党と公明党は規制の見直しに向けて協議を始めている。政府はこの三原則や運用指針について見直しの方向を示し、国際平和と安全保障に貢献する枠組みの柔軟化を図っている。

こうしたなか、5日、岸田文雄首相は来日したメローニ伊首相と会談。両首相は日伊英による次期戦闘機の共同開発が計画通り進行していることを歓迎した。このほか、海軍種間の共同訓練や空母打撃群を含む艦艇寄港の防衛・安全保障分野における日伊の協力の進展を評価した。

また、共同開発の円滑な進展に向けて一層の努力を続けることで一致し、防衛・安全保障分野における協力強化の重要性を再確認した。

日英伊3国による戦闘機計画は各国議会の承認が必要で、共同開発フェーズは2025年に開始され、2027年には設計と試作機の製造を完了し、2035年には戦闘機を実戦投入することを目標としている。

報道によると、3国の防衛大臣は「GIGO」と名付けられた国際組織を設立し、次世代戦闘機の共同開発を進めることに合意した。GIGOは、3国の代表による「指導委員会」と「実行機関」から構成され、実行機関の初代責任者は日本人が務める予定で、本部は英国に設置される。GIGOは、民間セクターの合弁企業と契約を結ぶ役割を担う。

共同建設において3国は技術協力を行う。当時の会見で英シャップス国防相は、「どの国も単独でこのレベルの専門性を達成することはできず、我々の技術と設備、設計と生産ライン上の能力を組み合わせるものだ」と述べた。木原防衛相は同じ席で、「我々は第二次世界大戦以来、最も複雑な安全保障環境に直面している……。空中優勢を確保することは、我々が達成しなければならない重要な課題の一つである」と付け加えた。

この超音速ステルス戦闘機には、現行システムの1万倍のデータを提供できるレーダーを装備する予定。

報道によればプロジェクトには、英国のBAEシステムズ、イタリアのレオナルド、ヨーロッパのミサイルグループMBDA、英国のエンジンメーカーロールス・ロイスが参加する。また、日本三菱重工業、三菱電機、IHI株式会社、イタリアのアビオ・アエロも参加している。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
関連特集: 日本の防衛