政治 外国人あるいは外資の土地購入問題

なぜ規制できない? 海外企業による日本の土地購入

2024/02/16 更新: 2024/02/24

SNS上で、「外国人が日本の土地を買い占めている」という話を聞いた人も多いのではないだろうか。2020年には中国人が沖縄の屋那覇島(やなはじま)の51%を購入して話題になった。

高市早苗経済安全保障担当大臣は自身のSNSチャンネル上で、「なぜ規制できない? 海外企業による日本の土地購入」と題する動画を投稿し、現状は外国企業による土地の取得を禁止することができない理由を述べ、且つ現状できる対策を述べている。
 

土地取得を禁止することはできないのか?                    

出典:高市早苗チャンネル

質問者: 上海電力による土地の買収に心配の声が上がっていますが、外国企業による土地の取得を禁止することはできないのでしょうか? 

高市大臣: 

残念ながら今の法律ではできません。私は、10年以上前の平成23年に、自民党の中に勉強会を立ち上げました。外国人や外資系の企業による土地・建物の取得を、規制する議員立法をしようと思い、安全保障土地法案の策定に取り組もうと思ったのです。

ずいぶん苦労してたくさんの議員が集まってくれ、何度も何度も会議をして、ついには、様々な関係省庁を呼んで、意見も聞きましたが議員立法はできない事がわかりました。つまり取得規制、取引規制というのは、現在の法制上無理だろうというのが結論です。

何でかというとGATS、ありますよね。これは世界貿易機関(WTO)のサービス貿易一般協定のことです。このGATSですとか、日本が結んでいる一部の経済連携協定ですとか、二国間の投資協定において、日本は残念ながら土地取得について、「留保」せずにそれらの協定を締結をしてきたということなんです。

例えば、私たち日本人が中国で土地を買うことはできませんよね。これは中国もWTOに入っていてGATSのメンバーですが、土地取引の項目は「留保」してるのです。だからもう、自由な取引の対象じゃありませんよということにして、メンバーに入ってる。

日本の場合は留保せずに入っておりまして、ですからそういう国は、外国人に対して内国民待遇という義務を負うのです。つまり、土地取得に関しても国籍を理由として内外差別的な立法を行うということは、国際協定との関係において認められないということになるのです。日本の法体系は国内法より国際法の方が上位にきますのでこのGATSやこれまでも言われたような結んでしまった二国間協定がある限り、土地取得の規制を国籍を理由に行うということはできないということです。 

憲法が定める財産権の侵害

もう一つ土地取引の規制というのは、憲法が定める財産権の侵害になるという声が、当時も多くありました。つまり、日本人が土地を持っていて、たまたま外国人が買いに来て、その日本人にとってはもういらない土地、例えば使わない山だったりしたら、高いお金で買ってくれるって言ったら売りたいですよね。でもそれを国がダメって言ったら財産権の侵害になるということで、憲法にも抵触するだろうということで立法化は困難だったのです。
 

解決策「重要土地の利用規制」

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そこで、対策として、日本人と外国人の両者を対象として、平等に何か規制をかけるということならば、つまり、合理的な目的と手段で規制をかけるということは、「重要土地等の財産権の侵害」になるということはできるのですね。この法律、要は「重要土地の利用規制の法律」というのが出来上がったわけです。

この土地取得の規制というのは、もしもあのまま外国人に対する土地取得規制の法整備を進められたとしても、結局ダミーの日本企業が買いに来たり、あるいは、ある国が自分の国の国民の一人だけを日本人に帰化させて、日本人として買いに来たりしたりすると、結局ザル法になっちゃいますので、これも要は、実質的にあまり規制の効果がないのではないかという結論になったのです。

だから今の法体系というのは土地取引規制じゃなくて、土地利用規制が精一杯ということになっています。

しかし、これからですね。どうしても、やっぱり外国人に、これ以上土地を買われていったらどうしようもないような、安全保障上も怖いよねということになっていったら、これは外務省に頑張っていただいて、WTOのGATSをもう一度土地を「留保」してですね、締結をし直すことが望まれます。

しかし、これには当該国全部が同意してくれなきゃいけませんから、大変な作業になります。ですから、そういう今後の努力をしていただくとか、あるいは最近では、外務省も二国間での協定をそれぞれ結ぶときは、土地取引は「留保」して結んでいると聞いております。そういう取り組みを進めていくということしかないと思います。

上海電力日本株式会社 

ちなみに中共(中国共産党)資本が入った上海電力日本株式会社でございますが、これはまた別の機会に詳しくお話したいと思っております。ただ上海電力が今発電をしており、ある時にその発電を全部止めたら、周りに住んでいる人たちが、その発電に全て頼っていたら大変なことになりますよね。

経済産業省に聞いてみますと、今発電の許可をしているのは、それらを全て発電を止められたとしても、他の大手電力からの融通によって、たちまち周辺の人が困らない範囲内での許可、そのレベルで許可をしているというようなお話でございました。

ではまた、詳しくお話をいずれしたいと思います。

若いころはHG/PGに明け暮れ、中年になると、アジア各国での日系工場の立て直しに実績有り。同時に小説をプロに習い、書き始める。 エポックタイムズ掲載:「UFOと老人」、「千代能比丘尼物語」、「時間を無くした男」 アマゾン出版:「南十字星の少女戦士」など。
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