このほど、河北省邯鄲(かんたん)市で起きた中学生3人による同級生の殺害および死体遺棄事件が、中国のネット上で大きな話題になっている。
関連話題は14日、中国SNSウェイボー(微博)のホットリサーチリストの4つを占めるほど注目を集めた。
「まだ中学生の子供が、どうして同級生を殺害するような悪魔になってしまったのか」。人々はやるせない嘆きとともに、幼いとはいえ「犯人」である3人への厳罰を求めている。そして中国共産党による「憎悪教育(体制維持のため、他者への憎しみを駆り立てる教育)」に対する怒りも沸騰している。
今月10日、河北省邯鄲市の男子中学生3人が、クラスメイトの男子生徒、王子耀さん(13歲)を惨殺し、その遺体を野菜を育てるハウスのなかに埋めた。現地警察は15日、容疑者3人を故意殺人の疑いで刑事拘留したと発表した。
被害生徒である王子耀さんは、平日は学校の宿舎で生活し、週末だけ家に帰っていた。王さんの家族によると、王さんは長い間、同じクラスの隣席の生徒によっていじめられていたという。
犯行のあった日、加害者である3人の生徒は王さんの携帯を奪い、アプリ(ウィーチャット)に入っていた191元(約3900円)を他所へ送金して引き出した。その上で、野菜ハウスのなかで鉄のスコップを使って王さんを殴り殺し、そこへ遺体を埋めたという。
10代の子供が同級生の金を巻き上げて、あまりにも残忍な方法で殺害し、遺体を埋めた。この凶悪事件への注目度は高いが、中共当局はまたも情報封鎖に乗り出している模様だ。
ネットに流出した動画によると、遺族は被害生徒の遺体を見ることを禁じられている。
「中国社会に蔓延する戻気(邪気)や殺気、そして社会全体の道徳低下の元凶は、過去数十年にわたる憎悪教育によるものだ。そのような教育が今回の悲劇をもたらした」と憤慨する声が広がっている。
なお容疑者(加害者)3人と被害者は、全員「留守児童」であった。中国語の「留守児童」とは、両親は他所へ出稼ぎへ行っており、普段は祖父母や親戚と同居している子供を指す。4人は、いずれも14歳以下であった。
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