豪州 純移民数が過去最高で賃貸住宅が不足、留学ビザ制限へ

2024/03/23 更新: 2024/03/23

豪州政府は、今週から外国人留学生向けのビザ規定を厳格化し、今後2年間で移民数を半分に削減する計画を進めている。

3月21日に発表された公式データによると、豪州への移民の数が過去最高を更新しており、これが賃貸住宅市場にさらなる圧力を加えている。

新しい規定によれば、3月23日から、留学生ビザの英語力要件が引き上げられ、現行の国際英語能力試験IELTSの最低スコアが5.5点から6点に、修士課程の申請における英語力要件は6点から6.5点に、それぞれ引き上げられる。

また政府は、教育機関が繰り返し規則に違反した場合、留学生受け入れ資格を一時停止する。

豪州統計局が21日に公表したデータによると、2023年9月30日までの1年間で、純移民数が60%増加し、過去最高の54万8800人に達した。

クレア・オニール内務大臣は声明で、「今週末から始める取り組みは、移民政策における公約を実現して、移民数の削減を継続し、長年にわたるシステムの不具合を修正する」と述べた。

また、オニール氏は、仕事を主な目的として豪州に来る偽留学生に対し、新しい「真の学生テスト(genuine student test)」を導入すると表明した。

観光ビザで入国した人々に対しては、ビザの期限切れ後に国内でビザ変更申請ができない「ノー・フォア・ステイ(no further stay)」の規定をより広く適用する方針を明らかにした。

昨年、豪州政府は、留学生の就労時間制限の廃止など、前政権がコロナ流行時に導入した譲歩策を撤廃した。 政府は、2年以内に受け入れる移民の数を流行前の水準、25万人までに半減させるため、留学生のビザ規則を厳格化する。

パンデミックの最中、豪州は厳しい国境管理を実施し、2年近く留学生や労働者の入国を拒否した。 そして2022年、豪州は企業が仕事の空きを埋められるよう、年間移民数を引き上げた。

しかし、それ以降の外国人労働者や留学生の急激な流入で、すでに逼迫していた賃貸市場を悪化させた。

昨年9月までの1年間で、豪州の人口は2.5%増の2680万人となり、過去最速の伸びを記録した。

過去最多を記録した移民の主な内訳は、中国、インド、フィリピンからの留学生である。 彼らの入国により、賃金上昇圧力は緩和されたが、すでに逼迫していた住宅市場に拍車がかかった。賃貸住宅の空室率は過去最低水準で推移し、建設コストの上昇により新築住宅の供給も限られている。

オニール氏は、昨年9月以降政府がとった措置が移民の減少につながり、最近発行された留学生ビザは前年より35%減少したと述べている。

日本の場合、政府は2008年から「留学生30万人計画」を打ち出し、海外から留学生の積極的な受け入れを表明した。2022年5月1日現在の外国人留学生数は23万1146人となった。

日本では不動産(または収益性の高いビジネス)を所有することで、長期滞在、あるいは永住ビザを取得できる。

中共の来るべき崩壊や体制から逃れるために、中国の富裕層が海外に資産を移すなか、その一部は隣国である日本に目を向けていて、中でも中国人による「マンション爆買い」は日本で社会現象になっている。

日本商工会議所の小林健会頭は、東京で住宅を購入する中国人富豪は多く、東京の住宅価格があまりにも上昇し、一般家庭では手が届かなくなったと苦言を呈した。

呉香蓮
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