「命の尊さを心に刻みサリドマイド、スモン、HIV感染のような医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことをここに銘記する」
「千数百名もの感染者を出した『薬害エイズ』事件、このような事件の発生を反省しこの碑を建立した」
厚生労働省の敷地内には上の碑文が刻まれた「誓いの碑」がある。この誓いは今も厚生労働省の職員の心に刻まれているのだろうか。
2021年に新型コロナワクチン接種がはじまってから3年。18日に発表された新型コロナワクチンの健康被害救済制度認定者数は6650件、そのうち死亡が500人を超え523人となった。
令和5年度の救済の予算も想定の110倍に拡大しているものの、厚生労働省の新型コロナワクチン接種に対する見解は「ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない」と変わらない。
そうした中、2024年3月22日(午前)参議院財政金融委員会で神谷宗幣議員(参政党)が、ワクチン接種体制を審議する審議会について質問をした。
神谷議員は審議会の構成員について「21人のうち12人が、金額の大小があるがワクチン関連会社から金銭を受け取っている」と指摘し、この審議会のメンバーたちが就任前、退任後にワクチン関連企業で就業することについて制限や規定があるか訊ねた。
厚生労働省(厚労省)の佐々木感染症対策部長は、審議会への参加規定は、弁護士等の外部委員から構成される委員会があり、従来の遵守事項の運用状況や、海外状況、特に米国FDAにおける規定状況等を踏まえて検討しているとした。
米FDAは、医療雑誌BMJ(British Medical Journal)の調査では新型コロナウイルスワクチン審査委員会のメンバーのうち65%に、製薬会社との金銭関係(利益相反:Conflict Of Interest=COI)があるという指摘がされている。
佐々木感染症対策部長は「審議会の都度、ルールに沿って企業と委員の利益相反を確認し公表しており、議論の公平性や透明性は確保されているものと考えられることから、少額であっても、企業から金銭を受け取っていることを持って、直ちに不適当であるとは言えないと考えております」と述べ、審議会の半数以上のメンバーが金銭を授受していた事について「不適当であるとは考えていない」という見解を示した。
この見解については、厚労省の道徳性が問われるところだろう。
医療・保健・社会保障などを所管する厚生省、現在の厚生労働省は、1938年に設置された後、スモン、サリドマイド、薬害エイズなどの様々な薬害事件が発生してきた。
特に1960年前後に発生したサリドマイドについては、西ドイツの医師が警告した後、欧州各地で薬の販売中止と回収が行われたが、日本では10か月遅れて中止し、被害が広がっている。
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