韓国、Temuとアリエクスプレスの個人情報利用実態を調査

2024/04/06 更新: 2024/04/06

廉価な商品で急展開する中国系通販サイト「Temu」と「アリエクスプレス」などについて、韓国政府はこのほど、個人情報収集と利用の実態に関する調査に着手した。

3日、韓国の個人情報保護委員会のコ・ハクス委員長は、米国で開催された国際会議に出席した際、「『Temu』と『アリエクスプレス』などの中国系通販がユーザのデータをどのように収集・利用しているかを注視している」と述べ、すでに調査を開始したと明らかにした。

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コ・ハクス氏は、これらのアプリやサイトで個人情報保護が本当に行われているのかについて一定の懸念があるとした。調査では、「ます、中国の関係法律や各社の利用規約を確認し、情報の収集と利用のプロセスを把握する。さらに、収集された情報が中国国内で管理されるのか、それとも第三国に転送されるかを確認する」という。

個人情報保護法に違反する行為が発覚した場合、韓国の規制当局は調査を行い、是正命令を出すことができるほか、海外企業であっても罰金を科すこともできる。

個人情報保護委員会のほか、韓国の産業通商資源部も中国の電子商取引プラットフォームの韓国進出状況に対する専門チームを構成することにした。

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中国のオンラインショッピングモールである「アリエクスプレス」と「テム」は最近、韓国市場で急速に影響力を拡大している。

アプリの小売分析サービスである「WiseApp-Retail-Goods」によると、韓国の各オンライン商取引プラットフォームの月間アプリユーザー数に基づく分析結果では、「アリエクスプレス」や「Temu」がそれぞれ888万人と830万人のユーザーを獲得し、3087万人のCoupangに次ぐ2位と3位にランクインした。

利用者が急増するなか、相応の問題も発生している。韓国紙「中央日報」3月31日付の報道によると、アリエクスプレスなどの中国系通販サイトの利用拡大に伴い、消費者院(消費者庁)へのトラブル相談も大幅に増加している。「事業者の所在国が中国(香港)の相談件数も目立って増えた」とのことで、消費者院はアリエクスプレス側とトラブル解消のためのホットライン構築を協議している。

中国共産党が制定した国家情報法などにより、中国系アプリは他国製品にはない問題点があると指摘されている。米CNNは昨年、中国本土で使われる通販サイト「拼多多」アプリに不審な動作があることを発見した。「拼多多」アプリはAndroidOS(オペレーティングシステム)の脆弱性を悪用し、ユーザーの同意なしに携帯電話の使用状況や保存されているデータにアクセスしていたと報じた。「Temu」とは、「拼多多」が海外展開するために設計した海外版のアプリだ。

電子商取引アプリ「Temu」は日本市場において、App Storeの無料アプリランキングで1位を獲得している(4月5日現在)。

中国の国家情報法は、安全保障と治安維持の名目のもと、企業と民間人に情報収集活動への協力を求めるもの。中国共産党が情報提供を要求すれば、企業は従わざるを得ない。この法律は日本を含む外国企業にも適用される。

徐天睿
エポックタイムズ記者。日米中関係 、アジア情勢、中国政治に詳しい。大学では国際教養を専攻。中国古典文化と旅行が好き。世界の真実の姿を伝えます!