中国共産党が5月1日、初めて海上試験に送り出した。上海を出港したこの空母は、電磁カタパルトシステムを備えた初の中国空母であるが、アメリカの核動力空母と比較すると、規模と動力の面で劣るとの指摘が最初からあった。
本記事では、「福建」とアメリカ空母の比較、カタパルトシステムの技術的特徴、そして中国共産党の空母戦略における政治的象徴としての位置づけと、実戦能力について考察する。
5月1日朝8時に上海江南造船所から出港した「福建」は、指定された海域で初めての海上試験に臨んだ。
中国共産党公式報道機関である新華社によると、この試験ではエンジンや電力システムなどの機能の信頼性と安定性が検証される予定であるという。
アメリカの空母が持つ2つの主要な優位性
「福建」の大きな特徴は、電磁カタパルトシステムを備えている点である。従来の中国の空母「山東」や「遼寧」はスキージャンプ式の甲板を使用しているため、「福建」のカタパルトシステムは、より大型の航空機の発艦を可能にしている。
中国共産党の機関紙である環球時報は、匿名の専門家の言葉を引用し、「外観上、福建は世界で最も進んだ空母に匹敵する」と報じた。
世界最先端の空母は、アメリカの「ジェラルド・R・フォード級」(USS Gerald R. Ford)であり、唯一の電磁式カタパルトを備えた空母として知られている。アメリカ海軍が運用する他の10隻のニミッツ級空母は蒸気式カタパルトを使って航空機を発艦させている。
中国は「福建」に電磁カタパルトを搭載していると主張しているが、外部からの確認が必要である。一方で、CNNは、アメリカの空母が「福建」に比べて、動力と規模の2つの面で優位性を持っていると報じた。
アメリカの空母はすべて核動力を採用しているため、乗組員の補給が得られれば長期間航行可能であるが、中国の「福建」は通常動力を使っているため、港での停泊や給油船による補給が必要であり、作戦行動に制約がある。
アメリカの「フォード級」空母は強力な核動力を備えており、二つの核反応炉と四つの推進軸で多くの電力を生み出すことが可能である。このため、将来的には指向性エネルギー兵器を搭載することも見込まれる。
サイズ面でもアメリカの空母は「福建」より大きく、アメリカ海軍が運用する「フォード級」の排水量は10万トン、「ニミッツ級」は8.7万トンに対し、「福建」は8万トンである。
アメリカ戦略国際問題研究所(CSIS)は、アメリカの空母が約75機の航空機を搭載できると推定し、「福建」は60機ほど搭載可能とされる。
中国の空母は政治的象徴に過ぎない
アメリカ議会調査局(CRS)は1月の報告書で、「福建」を含む中国の空母群が政治的な意味合いが強いと述べているのである。
報告書では、「これらの空母は中国にとって政治的に価値があり、主要国としての立場を強化する手段として使われる」とし、実戦では「アメリカの海軍や空軍に対して著しく弱い」と指摘している。
台湾側は、「福建」の就役が中国共産党の脅威をさらに高めると懸念している。
中国共産党は、新型空母の技術的進歩を自慢しているが、なお多くの課題が残っていると報じられている。専門家は、乗組員の訓練水準と実戦要求の間に大きなギャップがあるという。
アメリカ戦略国際問題研究所(CSIS)の研究員マシュー・フナイオール氏は、アメリカ海軍が長年にわたって空母を運用してきた経験が、優位性を持たせていると語り、中国共産党は2012年から空母運用を始めたばかりで、経験差があると指摘した。
また、ファイナンシャル・タイムズによると、「国際戦略研究所」(IISS)の中国軍事問題専門家メイア・ヌーウェンス氏は、「福建」の進水は重要な意味を持つものの、問題は装備と運用にあると述べている。「遼寧」が中共海軍に配備されてから約10年が経過し、航空母艦打撃群の統合訓練が継続されているとヌーウェンス氏は示唆しているのである。
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