このほど、中国陝西省渭南市澄城県にある村「樊家窪村」の村民が「村の畑に設置された散水機が偽物だった」として、中国メディアに訴えた。
同村民が公開した画像には、土の中から掘り起こされたと思われる散水機らしき物体が転がっていた。もちろん、その下に本来ならば繋がっているはずの、水道設備の影はどこにもない。
中国メディア「新京報」が村民の話を引用して報じたところによると、問題の散水機は今月初めに取り付けられたものである。
村民は付近の散水機を12基ほど確認したところ、水が出るのはわずか3基で、残りの9基は全て偽物であることが判明した。
村民による告発やメディア報道を受け、現地当局は14日、以下のような声明を出した。「同プロジェクトはまだ未完成だ、問題になっている散水機は施工側が勝手につけたものである」
この声明をうけ、ネット上では皮肉や批判が殺到。
「下手な言い訳だ」
中国共産党が統治する中国では、今回のような「水の出ない散水機」のみならず、「水が出ない消火栓」や「ホースが着かない消火設備」といった命にかかわるような重要施設であっても「偽物」が存在している。
今年1月、貴州省貴陽市にある集合住宅で火災が発生した。住人はすぐさま集合住宅に設置している消火用の放水設備を使って火を消そうとしたが、接続するホースの金具の口径が合わず、火を消すための放水設備が全く使えなかった。
その後、消防隊が到着してようやく鎮火した時には、家のなかに閉じ込められた住人は亡くなっていた。
「なぜ消火設備が使えないのに、消防検査は合格になったのか……」
集合住宅の管理者や当局による安全検査のずさんさを、住人は涙ながらに糾弾した。
「中国は、なぜこんな国になってしまったのか」
そう嘆かずにはいられない。
人々の道徳が甚だしく低下し、神仏を敬わず、因果応報も信じない。金銭ばかりを追求した結果、人が人でなくなってしまったのではないか。
(「消火設備が使えないのに、なぜ消防検査に合格したのか」と非難する、火災被害者の遺族の男性)
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