この頃、「特権を持つ一部の官僚が、交通事故を起こして人を死なせたのに、野放しになっている」という話題が中国のネットを賑わせている。
遼寧省瀋陽市の応急管理部(いわゆる防災省)の官僚が、ナンバープレート無しで、逆走、スピード違反など複数の交通違反をしたうえ、交通事故を起こして人を死なせたのに、今ものうのうと仕事しているということがわかり、物議を醸している。
今月2日の夕方、同官僚はナンバープレートをつけていない公務用車を運転し道路を逆行して三輪車と衝突し、三輪車の運転手(58歳)を死なせた。
「事故から20日経った今もこの事故に関する責任認定書は届いていないし、運転していたのが誰であるかさえ知らされていない」と遺族は26日に明かしている。
中国メディアが情報筋の話を引用して報じたところによると、事故を起こした公務車両の運転手は、瀋陽市応急管理部の官僚・王であるという。
王の同僚も「確かに王が事故を起こした」と話している。しかし、その同僚によると、「王はいまも通常通り仕事をしている」という。
現地警察は27日、「王が事故を起こした車の運転手であり、事故当時ナンバープレートをつけていなかった」と発表した。しかし「案件はいま調査中であるため、事故の責任認定書はまだ出せない」としている。
この件をめぐり、ネット上では「官僚が持つ特権」に関する非難が殺到。
「もし事故を起こした運転手が官僚でなかったら、とっくに警察に拘留されているはずだ」、「中国では官僚は特権を持つ、だからみんな官僚になりたいんだ」、「官僚相手だと一庶民が太刀打ちできるはずもなく、泣き寝入りするしかない」というように、庶民の怒りと現実への嘆きの声が広がっている。
「ある親子の対話」
華人圏のSNSでよく見かける「話」がある。それはある親子の対話だ。
父親「将来何になりたい?」
子 「裁判官」
父親「いいね、金持ちになれるぞ」
子 「なぜ? 正義のための裁判官ではなかったのか」
父親「……(返す言葉もない)」
この親子の対話は、今の中国社会のリアルを如実に反映した皮肉であることは誰の目にも明らかだ。
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