宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)とが共同開発した地球観測衛星「EarthCARE(アースケア)」が29日、米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げられた。日本での愛称は「はくりゅう」。打ち上げはスペースXのロケットによる。
アースケアは、地球の温度バランスを研究するために設計された衛星で、ファルコン9ロケットに搭載され、日本時間の5月29日午前7時20分に打ち上げられた。スペースXによると、衛星は打ち上げの約10分後に予定通り分離された。
アースケアは「Earth Cloud Aerosol and Radiation Explorer(地球の雲・エアロゾル・放射探査機)」の略称。雲とエアロゾル(大気中に浮遊する粒子)が太陽放射を宇宙に反射し、地表から放出される赤外線放射を捕捉する役割を研究するために、4つの観測機器を搭載している。JAXAによると、そのうちの「雲プロファイリングレーダー(CPR)」はNECが設計・製造を担当した。
JAXAによれば、ロケットから分離されたアースケアはその後、地球周回軌道上に投入されたことを示す情報を南アフリカの地上局で受信したという。
JAXAのEプロジェクトマネージャ富田英一氏は、今回の観測衛星によって「より正確に未来の地球環境がわかる様になり、より適切な対策をとることが出来ることが期待される」とコメントを発表した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。