欧州連合(EU)は6月12日、来月から中国製のEV(電気自動車)に追加関税をかけることを発表した。
数か月の反補助金調査の後、EU執行委員会は6月12日に、中国の主要な自動車メーカー3社に対して暫定的な反補助金関税を課すことを決めた。BYDには17.4%、ジーリー(吉利汽車)には20%、上海汽車集団には38.1%の関税がそれぞれ課せられることになる。
また、調査に協力しなかったその他の中国EVメーカーにも38.1%の追加関税が課されることになる。
台湾の国防安全研究院の鍾志東博士は「米国と欧州が協力して中国の生産過剰問題に取り組んでいることがはっきりしている」と述べた。
EUは昨年の10月から、中国製EVに対して補助金に関する調査を行っており、その調査は今年の11月2日まで行われる見込みだ。
欧州委員会のスキナス副委員長は「EUのEV産業が、不公平な補助金を受けている競合他社によって脅かされ、経済的なダメージを受けている」と述べた。
通常、EUは自動車の輸入に10%の関税をかけているが、反ダンピング税が適用された場合、中国からのEVには27.4%~48.1%の高い関税が課されることになる。
分析によると、これは中国の自動車メーカーにコスト増をもたらし、既に困難な状況にある中国経済にさらなる影響を与える可能性がある。
台湾 南華大学の孫国祥副教授は「中国経済が新エネルギー車、EV、太陽光パネルの輸出に大きく依存しているため、これらの分野での影響が今年の輸出減少に繋がる可能性がある」と述べた。
欧州委員会は現在、追加関税の問題について中国(中共)と交渉を進めており、中国が迅速に解決策を提案しない場合、7月4日から厳しい関税が適用される見込みだ。
商務部は、EUの決定を「保護主義的な措置」と非難し、中国の利益を守るために必要な手段を講じると表明している。
孫副教授は中国(中共)がEUのある製品に対して象徴的な関税を上げることで応じた場合、それだけで貿易戦争や関税戦争に発展することはないかもしれないとの認識を述べた。また「中国は、米国とEUとの間での対立を避けたがっており、またバイデン大統領がEVに対して100%の関税を課すという動きと合わせて、EUからの同じような措置が自国に大きな打撃を与える可能性があると懸念している」と述べている。
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