豪州を訪問した中国の李強首相が宿泊するホテルは貸し切りではなかった。
豪州在住の反共インフルエンサー・尹科さん(ハンドルネーム:蔣罔正)と、同じく豪州在住の著名な民主活動家・高建さんも同じホテルに宿泊することがわかり、中国大使館に緊張が走った。
尹科さんは中国にいた時、李強と握手したことがあるという。かつては浙江省の銀行幹部で、中国共産党(中共)体制内の役人と今もつながりを持つ。
17日にキャンベラの議会議事堂前で開催される中共への抗議活動に参加するために、わざわざメルボルンから駆け付けたという。
尹科さんはこの日、議会議事堂前でエポックタイムズの取材に応じ、自分あてに「李強に抗議しないよう」求める電話が中国国内から掛かってきたことを明かした。
それでも臆することなく「民主主義や自由、人権、法治への追求を貫くことにした」という。
エポックタイムズの取材に対し、尹科さんは次のように話した。
「メルボルンからは私も含め4、5人で来た。 私たちの願いは、小粉紅の(歓迎の)声だけでなく、チベッドや法輪功、新疆、民主推進派など、李強にいろいろな声を聞かせることだ」
「李強と同じホテルに泊まったが、私たちは彼と何か話したいとか、彼を傷つけようとか、最初からそんなつもりはなかったが、中国大使館はとても神経をとがらせていた」
「私たちがホテル入りして30分後には現地の警察がやってきて、ホテル内は警備員だらけになった」
「現地の警察から『何もするな、何かしたら逮捕や国外追放に直面するかもしれないぞ』と警告され、結局は朝ごはんを食べに行くこともできなかった」
元中共工作員が暴露した「尹科さん拉致計画」
豪メディアABCの調査報道番組「Four Corners(5月13日付)」は昨年、中国からオーストラリアに亡命した中共の治安部門の元工作員・エリック氏への取材を公開した。
悪名高い中国公安部政治保衛局の元警官だったエリック氏は、中共がどのようにして海外の異見者を追い詰めていくのかの内幕について暴露した。
エリック氏は2018年、オーストラリアに住む尹科さんの拉致を求められたという。具体的な計画は、彼を捕まえるために東南アジアに誘き寄せることだった。
中共当局が尹科さんを逮捕したい理由は、彼が公開する動画の内容と関係があった。その動画には習近平とその娘について報じるものが多いからだという。
しかし、エリック氏によるメディア暴露のあとも、「中共当局は弾圧の手をいまだ緩めていない」と尹科さんは言う。オーストラリアに来てから6年の間、尹科さんは中共当局から3800件も提訴されている。
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