米国で消費者がチップに反発、要求に不満広がる?

2024/07/05 更新: 2024/07/05

数日前、テッド・ロスマン氏がニューアーク空港でサンドイッチを購入した際、大きな驚きを経験した。ロスマン氏は金融情報サイト「Bankrate」の上級産業アナリストであり、自動販売機で自らスキャンして支払いを済ませたところ、チップを求められたのだ。

「人々がチップを求められる場面がかつてないほど増えている」とロスマン氏は述べ、「10年前には考えられなかった状況が増え、避けることが難しくなっている」と語った。

「Bankrate」の新しい調査によると、米国人の59%がチップに対して否定的な見解を持っている。2021年と比較して、ほとんどの場面でチップを渡す割合が減少している。

例えば、配達員へのチップは59%から51%に、タクシーやライドシェアの運転手へのチップは48%から41%に、ホテルの客室清掃員へのチップは28%から22%に、コーヒーショップのスタッフへのチップは23%から20%に減少している。

チップ問題の背景

米連邦政府はチップを得ることができる最低賃金を時給2.13ドル(約342 円)と定めており、数百万人がチップに依存して生活している。しかし、多くの人々は商店が顧客に従業員の給与を支払わせることでコストを削減していると疑っている。

Bankrateの調査では、37%の回答者が商店はチップに過度に依存するのではなく、従業員の給与を引き上げるべきだと答えている。

インフレはほぼすべてのコストを押し上げており、チップを要求される頻度にも強い反発を引き起こしている。

チップ文化に対処するためのポイント

1. タッチスクリーンに惑わされない 

「チップの膨張」の背後には、タブレットのタッチスクリーンに予め設定されたチップ額がある。18%、20%、25%、さらには30%という選択肢があるが、これに従う必要はない。多くの場合、カスタムチップのオプションがあり、自分が適切だと考えるチップ額を入力できる。

2. チップを渡さないことは間違いではない 

支払い時に後ろに長い列ができていて、他の人々があなたの行動を見ている時、バリスタがあなたを見ている時など、非常に後ろめたさや羞恥を感じるかもしれない。しかし、チップが必要ない状況や、余裕がない場合は、他人の目を気にせずチップを渡さない選択をしても良い。

3. 判断力を働かせる 

チップの要求に対する不満をチップを渡す行為に影響させず、慎重に判断して本当に必要な場合には気前よくチップを渡すべきである。「タッチスクリーンで注文を入力する人にチップを渡す必要があるか? 必ずしもそうではない。自分で入力する機会があるなら、そうすべきだ」と、テキサス州プラノのファイナンシャルプランナーであるアンドリュー・ヘルツォグ氏は助言する。

「しかし、髪を切ってくれる人、ピザを配達してくれる人、サービスを提供してくれる人にはチップを渡す必要があるだろう。チップは自分ができない、またはしたくないことに対して支払うべきだ」

吳畏
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