深夜の町のゴミ拾いで生活する尿毒症の13歳の少年の話題が、中国で世論の注目を集めている。
少年の悲劇やその楽観的な姿勢を知って、心を打たれるネットユーザーも多く、少年がより良い治療を受けられるよう、寄付をする人も続出しているという。
なお、尿毒症とは腎不全の末期状態のことをいい、放置すれば死に至る。
(深夜の町でゴミ拾いする尿毒症の13歳少年)
深夜の町で
深夜の町でやせ細った少年が大きな黄色い織り袋(ずた袋)を引きずっていた。ペットボトルや段ボール箱を求めて、少年は通り沿いのゴミ箱を、次から次へとあさっていた。
「おじさん、こんにちは」とブロガー(撮影者)に礼儀正しく挨拶するこの少年。
ブロガーは「君何歳? 夜遅いのにまだ外にいるの?」と話しかけた。
すると少年は「13歳、昼間は暑すぎて耐えられないから」と答えた。
「こんな遅くまで家に帰らないと、家の人は心配しないのか?」というブロガーの質問には、少年は悲しそうに頭を下げた。
「僕にはもう家がないんです。お父さんは僕が6歳の時に死んだ、おじいちゃんやおばあちゃんは、自分が産まれる前に亡くなった。お母さんは父さんが死んだ次の日に家を出て行ったんだ」
聞くと、少年は9歳の時に尿毒症と診断され、以来、人工透析に頼って命を維持している。
「ぼくは毎日病院に住んでいる。腎臓は1つしかない、その1つしかない腎臓もあまり元気じゃない」と少年は話す。
いまは同じく尿毒症を患い、入院する親戚の叔父(65歳)と互いに頼り合って暮らしているのだという。生活は叔父が毎月もらえる600元(約1万3千円)の手当が頼りで、普段は叔父と一緒にゴミ拾いして、それを売って生活の足しにしているという。
少年は、4年間身につけているという、透析チューブを見せてくれた。
「お母さんを恨んだことがあるか?」というブロガーの質問に対し、少年は「いいえ!」ときっぱり答えた。
「僕のお母さんはてんかん(脳の病気)を患っていたから、自分の世話すらままならない。だから、彼女の気持ちを理解できる」
これを聞いて、「大人みたいだね、あなたがまだ13歳だということが信じられない」と感慨深いブロガーに対し、少年は、「自分ももとは少しやんちゃだったけど、病気になってから尿毒症の大人たちと一緒に長くいるようになって、大人のように穏健になってきただけ」と話す。
拾ったペットボトルや段ボールを売っても、1日に10元(約215円)もならないという。
「同じ年齢層の子供たちと遊びたいか?」という質問に対し、少年は、「うん、遊びたいけれど、自分にはもうそんな機会はないかもしれない」と返した。
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