中国共産党の第20回三中全会が7月15日に開幕し、その異様な雰囲気が注目されている。本来ならばメディアが活発に報道するはずのこの時期、情報封鎖により外界は習近平を称賛する記事しか見られなかった。しかし、その記事はわずか2日後に削除され、民間では様々な噂が飛び交っている。
中共の官製メディア、新華社は三中全会開幕当日に「改革家習近平」と題した1万字の記事を掲載した。この特集記事は、習近平の12年間の「改革功績」を称え、彼を鄧小平と比較して「現代化を実現する使命を負っている」とした。
記事の中で、習近平の言葉として「容易で皆が喜ぶ改革は既に終わり、美味しい肉は食べ尽くした。残っているのは難しい骨ばかりだ」と引用されていた。記事の終わりには「全面的な深化改革を通じて、習近平は鄧小平の事業を継承し、中国を経済的奇跡を継続させ、文化的魅力を発揮し、人類文明の新たな形を創造した」と宣言されていた。
しかし、17日にGoogleでこの記事を検索すると、香港メディアによる転載以外は全て削除されていることが判明した。
時事評論家の江峰氏は、この削除は中共最高層の意向が否定された可能性を示していると述べている。「これは、中共の内部で反対意見が出た可能性を示唆している」と語っている。
また、今回の三中全会において、中共は会議情報の封鎖を史上最も厳しくしたとされている。前中国内モンゴル政府法律室である杜文執行主任は、Xで「三中全会の会場との連絡は極めて困難だ」と述べている。杜主任主任によると、北京当局は三中全会期間中のすべての情報を厳重に封鎖しており、すべての参加者の携帯電話が没収され、会場では強力な電磁波干渉と高強度の無線監視が行われているという。
三中全会が開幕した日から、「習近平が会議中に脳卒中で倒れた」「現在治療中」という噂がネット上で広まっている。この噂は、多くの影響力のある人物によっても拡散され、話題となっている。
時事評論家の蔡慎坤氏は、多くの人がこの噂の信憑性を疑っているが、それでも広まっているのは一種の願望や感情の表れであると述べている。「突然の出来事が起きたとしても、それは厳重に隠されるだろう。このような噂は民意や党内外の不満を反映している」と語っている。
杜文氏も、こうした噂が許されていること自体が重大なシグナルであると述べている。「すぐに結果が出るだろう」と付け加えている。
昨年12月、中共の華春瑩報道局長がXに投稿した習近平のベトナム訪問の映像では、彼の歩行姿勢がぎこちなく、これが健康問題の噂を引き起こした一因とされている
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