中国各地方における財政危機は、深刻化するばかりだ。
「鉄の飯碗(食いはぐれる心配のない働き口)」と呼ばれる国有(国資)企業であっても、あらゆる手を使って従業員をクビにしようとしている。もちろん、出来るだけ退職金を出したくないからであろう。
最近は、中国のネットで国有企業による、さまざまな陰険な「辞退手口」が話題になっている。いずれも退職金を節約するために、直接解雇するのではなく、「自ら辞めるよう仕向けたり」、「会社役人が賭博などに連れて行き、公安に逮捕させる」といった汚い手口が使用されているのだ。
そういった陰険な辞退方法に遭った古参社員のなかには、自殺に追い込まれる人も少なくないという。
先月、浙江省温州市で路線バスなどを運営する市内十大国有企業の1つ「温州交運集団」が、運転手ら職員の給料を大幅に引き下げたことがわかった。
この事態に、運転手たちは「会社はそうして自分たちを退職に追い込もうとしている」として、集団で抗議している。
SNSで共有された「温州交運集団」に勤めている運転手たちがクレームする様子を映した動画には、「強制的な給料削減だ、8千元(約16万円)から2500元(約5万円)に、私たちを追い出そうとしている、補償する気もない」などの内容の字幕が付けられていた。
同集団が位置する浙江省は、中国の経済強「省」だった。温州市も古くから海上貿易で栄え、1980年代には大連や上海に並ぶ「経済技術開発区」に数えられていた。
「温州ですらこの在り様だ。中国共産党(中共)は本当に金欠になったんだな」とネット民は悲哀に満ちている。
(給料削減を発表する「温州交運集団」の会議の様子や同集団に勤める運転手たちが抗議する様子など)
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