鉄鋼とアルミ輸入に25%の追加関税表明へ =トランプ米大統領 

2025/02/10 更新: 2025/02/10

ドナルド・トランプ米大統領は2025年2月9日、大統領専用機内で記者団に対し、すべての国から輸入する鉄鋼とアルミニウムに25%の追加関税を課すことを10日に表明すると明らかにした。

この新たな関税措置は、トランプ大統領が1期目の2018年3月に導入した鉄鋼25%、アルミニウム10%の追加関税に上乗せされる形となる。当時の措置では、カナダやメキシコなど一部の国々に対して免除措置が取られていたが、今回の新たな関税はすべての国からの輸入に適用される見込みだ。

トランプ大統領は日曜日、スーパーボウル観戦のためフロリダからニューオーリンズに向かうエアフォースワンの中で記者団に語った。「アメリカに入ってくるすべての鉄鋼に25%の関税がかかる」と述べ、アルミニウムについても同様の措置を取ると明言した。

ホワイトハウス報道官のキャロライン・リービット氏は、新たな関税は鉄鋼とアルミニウムに対する既存の関税に上乗せされるものだと述べた。

また、トランプ大統領は「相互的な関税」についても火曜日か水曜日に発表する予定だと述べた。これは、他国がアメリカ製品に課している関税と同等の関税をアメリカも課すという意味である。

先週、トランプ大統領はホワイトハウスで日本の石破茂首相とともに演説し、相互関税について詳しく説明した。トランプ大統領は「他国が130%の関税を課しているのに、我々が何も課さないという状況は続かない」「それが唯一の公平なやり方だと思う。そうすれば誰も傷つかない」と説明した。

米商務省によれば、欧州連合はオートバイに最大50%、自動車に10%の関税を課している一方、インドはアメリカ車に60%、農産物に高額の関税を課している。

トランプ大統領は大統領選挙期間中、1期目の政権時に導入した関税によってアメリカの鉄鋼産業が守られたと強調し、中国をはじめとする海外からの安価な鉄鋼製品の流入を問題視して、関税の必要性を繰り返し訴えていた。

米シンクタンクの経済政策研究所(EPI)は、トランプ前政権が導入したアルミニウム輸入関税が国内アルミ製造業の生産、雇用、設備投資の拡大をもたらしたとの見解を示している。

トランプ大統領は今月初め、カナダとメキシコが不法移民やフェンタニルの生産・密輸を抑制しない場合、両国からの製品に25%の関税を課すとともに、中国製品にも10%の関税を課すと警告した。最終的にトランプ大統領は、両国の首脳が国境警備を強化することで合意したことを受けて、カナダとメキシコへの関税を1か月延期した。

「今回の命令は、フェンタニルなどの密輸薬物が違法な流通網を通じてアメリカに流入し、公衆衛生危機を含む国家非常事態を引き起こしていることを明確にしている」とトランプ大統領は声明で述べ、その後、カナダとメキシコに対して即時関税を発動しないことに同意した。

「中国当局は、既知の犯罪組織への原料化学物質の流入を阻止し、国際犯罪組織によるマネーロンダリングを阻止するために必要な措置を講じていない」

メキシコとカナダは、不法移民の流入とフェンタニルの密売を阻止するため、アメリカとの国境に数千人の兵士を派遣すると発表した。中国に対する10%の関税は2月4日に発効した。

今回の新たな関税措置の詳細や実施時期については、10日の正式発表を待つ必要がある。この措置が世界経済や国際貿易に与える影響について、各国政府や経済専門家の反応が注目される。

エポックタイムズ記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。
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