石破茂内閣総理大臣は2月12日午後、訪日中のスランゲル・S・ウィップス・ジュニア・パラオ共和国大統領と約60分間の首脳会談を行った。会談では、二国間関係の強化や地域協力について幅広く意見を交換した。
石破首相は冒頭、ウィップス大統領の2期目就任早々の訪日を歓迎し、パラオを地理的・歴史的・戦略的に重要なパートナーと位置づけた。両国の長年にわたる交流により築かれた強固な「キズナ」を強調し、昨年のパラオ外交関係樹立30周年の日を経て、「トクベツ」な関係のさらなる強化に取り組む意向を示した。かつて日本の統治下にあったパラオでは日本語由来の「トクベツ」という言葉が使われている。
また、石破首相は東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水海洋放出に関し、パラオ政府の変わらぬ支持に謝意を表明した。これに対しウィップス大統領は、日本とパラオの関係の「トクベツ」さを強調し、石破首相との間で強固な信頼関係に基づき二国間関係を飛躍させたい意向を示した。
経済協力に関しては、石破首相がパラオのニーズを踏まえた持続可能で強靭な経済発展支援を約束した。具体的には、3月の日本航空による直行チャーター便運航や、ガッパン漁港整備を含む持続可能な水産業振興への協力について言及した。また、パラオの操業可能水域の早期拡大を要請した。
さらに、石破首相は戦後80年を迎える今年、遺骨収集活動の加速化に向けたパラオ政府の協力を求めた。加えて、本年の大阪・関西万博へのパラオの参加を歓迎し、GREEN×EXPO 2027への参加にも期待を示した。
両首脳は、パラオが2026年に太平洋諸島フォーラム(PIF)議長国となることを踏まえ、2027年のPALM11に向けた緊密な連携を確認した。また、地域情勢について、石破首相の最近の訪米成果も含めた意見交換を行った。
今回の首脳会談を通じ、日本とパラオは二国間関係のさらなる強化と地域の安定・繁栄に向けた協力を深めていくことを確認した。
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