WHO神戸センター 2026年3月末で閉鎖へ 支援打ち切りで

2025/02/19 更新: 2025/02/19

WHO神戸センターは2026年3月末で閉鎖されることが決まった。同センターは、1995年の阪神・淡路大震災後、地域復興のシンボルとして、また国際的な健康課題に対応するために設立され、1996年に開所した。以来、災害医療、保健、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進などをテーマに研究を進めてきた。

しかし、震災から30年近くが経過し、「県内に拠点を置くメリットが見えない」との指摘があった。また、財政負担の大きさが県と市にとって重荷となり、支援継続は困難と判断された。

運営資金の負担と支援打ち切りの決定

WHO神戸センターは、WHOの直轄機関として機能し、1995年8月に兵庫県、神戸市、神戸商工会議所、神戸製鋼所の4者で構成される「神戸グループ」が運営資金を全額負担する形で設立された。

現在、兵庫県が毎年200万ドル、神戸市が100万ドルを拠出し、経済界が約1200平方メートルのオフィススペースを無償提供している。

年間の運営費は約4億円にのぼり、この財政負担が継続困難な要因となった。

2024年10月、神戸グループは、WHO神戸センターへの支援を2026年3月末で終了すると正式にWHOに通知。

これを受け、同年12月にWHOは「決定を尊重する」との返答を示し、開所以来の支援に感謝を表明した。

WHOは、神戸センターが蓄積してきた研究成果をどのように引き継ぐかを検討する見通しだ。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
関連特集: 社会