社会問題 同級生いじめ加害者「金あるっていいだろう」と自慢?

学校いじめに怒った大勢の市民が学校を包囲・抗議=中国・広東省

2025/02/25 更新: 2025/02/25

2月19日に撮影された中国の中学校の教室内で起きた残酷ないじめシーンがSNSで拡散され、ネットユーザーの怒りが沸騰している。

中学1年生の知的障害をもつ男子生徒は、クラスメイトの男子生徒4人から目を覆いたくなるようないじめを受けていた。

汚れたモップを体に押しつけられて頭などを殴られ、足で蹴られ、ほうきなどを使った暴行も受けている。さらには、何か異物を口に詰め込めこまれるなどいじめは長時間続き、その様子を撮影する者もいた。

 

教室内で起きた残酷ないじめ(動画よりスクリーンショット)

 

この件は中国メディアも取り上げており、報道によると、現在加害者の生徒たちは懲戒処分を受けて学校を休んでいるという。また、加害者4人は年齢が低いため法的責任を問われることはなく、それぞれ1千元(約2万円)を支払っただけだという。

いじめ加害者の1人がネット上で「お金があるっていいよな。人をいじめても、相手が退学しても、自分はただ7日間家に帰っただけで、何の問題もない」(注釈:加害者はお金を払うことで、軽い処罰で済んだが、お金を払えなければ、もっと重い処罰を受けることになったという意味)などと書き込んでいたとされ、その態度に市民が激怒した。
 

教室内で起きた残酷ないじめと、加害者の1人によるSNS投稿とされる内容、「お金があるっていいよな。人をいじめても、相手が退学しても、自分はただ7日間家に帰っただけで、何の問題もない」と書かれている。(スクリーンショット)

 

被害を受けた知的障害の子のために声を上げようとして、大勢の現地市民は学校(「広東省湛江市吳川市第三中学」)を取り囲み、抗議した。

いじめが減らない原因

現代の中国では「問題を解決したければ、世論に頼るしか道はない」が常識になりつつある。今回の事件のように、世論の注目を得られれば、当局や学校側は重い腰を上げて体制を整えるが、世論を集められなかった場合は、大抵は「どこへ訴えても相手にされない」という結末になる。もちろん、世論から注目を得られたからといって、問題が必ず解決するというわけでもないというのも事実である。

学校いじめのニュースが絶えない中国、ある研究によれば半数以上がいじめを受けたことがあるという。

「中国青少年研究センター」が2020-2022年の間に行った調査によれば、未成年者3108人の半数以上(53.5%)が学校でいじめを受けたことがあると答えている。

中国紙「法治日報」は2023年の記事の中でこのように指摘している。「中国の多くの学校には学校内いじめのための救援・通報窓口の設置などの仕組みがなく、また適切な訓練を受けていない教師も多い。教師は学生を守ろうとする責任観念が欠如しており、いじめを受けた学生は学校側が問題を公正に対処してくれると信じることができない」

中国の作家・廖祖笙氏もかつてこう分析している。「中国の学校いじめが減らない主な原因は、司法の不公平が根本にある。白昼堂々とクラスメイトを殺害する事件が絶えないのに、法執行部門は被害者を守り、正義をもたらすどころか、犯罪者側に立っている。あの国には法はない、学校だけでなく、どこも安全ではない」

2025年1月2日、陝西省の高校生(17歳)が転落死した。生前いじめを受けていたとわれる。画像は学校前で抗議する遺族と転落現場。陝西省渭南蒲城県職業教育センター(動画よりスクリーンショット)

 

共産党についての九つの論評【第九評】中国共産党の無頼の本性によると、中共政権下の中国では特権集団の私利を擁護するために、法律法規及び条例を制定するが、これらのものは、いわゆる「法律に基づいたもの」として、国の各級法律執行担当者へ伝達され「反迫害、自由の獲得、人権の擁護」のために努力する人民に対しての弾圧に利用される。

こうした大人たちの行為を、子どもたちはどこで見てきたのかもわからないうちに我がものとし、忠実に行動に移しているのである。



共産党についての九つの論評【第九評】中国共産党の無頼の本性

歴史上、中共は、危機に遭遇するたびに改善しているように装い、人々に中共に対する幻想を引き起こさせてきた。しかし、これらの幻影は、一つの例外もなくことごとく水泡と帰していったのである。今日、目先の利ばかり求めて見せびらかす、中共方式の経済繁栄という偽りの姿の下で、人々は共産党に対してまたも幻想を産み出してしまっている。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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