3月17日、中国湖北省武漢市の街中の井蓋(マンホールの蓋)が破損した。
通行人が撮影した現場の動画に映るのは、蓋の異常な薄さとむき出しになった内部のあまりに細い鉄線だ。
フタはプラスチック製で、素手で簡単に砕くことができるという。
現地市民からは、「人や車が乗るというのに、紙のように薄いじゃないか、プラスチック製か?」
「これではいつ壊れて人が落ちてもおかしくない」といった怒りの声が上がっている。
中国では近年、こうした手抜き工事による事故が相次いでおり、市民の命を軽視する腐敗体質への批判が噴出していた。
(破損した町のマンホール蓋、2025年3月17日、中国湖北省武漢市)
18日、現地の都市管理当局は、「歩道のマンホール蓋は特殊素材で作られている、車両が誤って乗り上げたことで破損した可能性がある」と言っている。
当局の主張について、市民からは、「特殊素材と誤魔化しているが、あれはどう見ても手抜き工事だ」「安全基準を無視して利益追求しか眼中にない連中たちだ」などの反発の声も多く寄せられていた。
中国各地で決して古い訳でもないのにマンホール蓋が破損するケースは頻発しており、ほかにはマンホール蓋が盗まれたにも関わらずそのまま放置され、通行人が転落死する事故もしばしば起きていた。
金儲け優先の体質が市民の命を脅かす
中国では、道路やインフラ整備における手抜き工事が慢性化しており、粗悪な井蓋や舗装が市民の命を脅かしている。
今回の武漢の事例も氷山の一角に過ぎず、地方政府と施工業者の癒着が背景にあると見られていて、市民からは昔から「不正を徹底的に調査し、責任を追及すべきだ」との声が高まっているが、当局も施工業者も「金儲け第一、安全は二の次」と改善の兆しは全く見えていない。
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