石破茂首相は20日、コメを買ったことがないと発言した江藤拓農相を続投させる意向を重ねて表明した。石破首相は「コメの高騰に苦しむ消費者、一生懸命コメを作っている生産者の方々に極めて申し訳ない。任命権者として責任は痛感している」と陳謝した。
江藤氏は18日、「コメは買ったことがない、支援者がたくさんくださる」などと発言。石破首相は19日、江藤氏を首相官邸に呼び、厳重注意した。
NHKの報道によると、江藤氏は実際には定期的にコメは買っていると説明し「私の実態と違うような言い方をしてしまってお騒がせしてしまったことは大変遺憾に思っている」と述べた。また「消費者の方々に対する配慮が足りなかった」と述べた上で、発言を撤回するのか問われたのに対し「撤回というより修正だ。私が行ったことについては正確性を欠いていたということだ」と述べた。
農林水産省が発表した「米穀販売事業者における販売数量及び販売価格の動向」によると、令和7年の小売事業者向け販売数量は1月が94.1%、2月が89.2%、3月が86.3%で、令和7年の小売事業者向け販売価格は、1月が168.8%、2月が176.0%、3月が184.5%となっている(前年同月比)。
政府はコメ価格抑制策として備蓄米を市場に放出しているものの、効果は限定的なものとなっている。一方で、政府や業界団体による更なる介入や流通改革が進むことでコメ価格が徐々に落ち着く可能性もある。今後の政府の対応や市場の動向が注目される。
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