北京で権力交代が進行か 米政界で習退陣説が広まる

2025/07/02 更新: 2025/07/02

最近、中国共産党(中共)の党首が権力を喪失したという情報が、米政界や海外メディアの間で引き続き広がっている。

6月30日、中共政治局が会議を開き、「党中央政策決定議事調整機関工作条例」を審議し、重大な政策課題に対する「トップレベルデザイン」や「統合調整」の推進を打ち出した。専門家の間では、この動きが一人独裁体制を修正する兆候であると受け止められており、習近平が権力を喪失したという見方を裏づけるものと分析している。

中共中央政治局は、6月30日の会議で「党中央政策決定議事調整機関工作条例」を審議した。中共の機関紙・新華社は、この会議において中央決策議事協調機構の設立と、同条例の制定が決定された。重大な政策課題を中共中央が一元的に指導する体制が強化され、重要任務の遂行を制度的に支える枠組みが整備されたと報じている。

中共中央は、この新たな枠組みを通じて「統合調整」を強化し、指導力を中央に集中させる意図を明確に示したかたちだ。

一方で、習近平は会議に出席し議長を務めたが、発表された公式文書からは、これまで頻繁に用いられてきた「習を核心とする党中央」という表現が一切姿を消した。あえてこの常套句を避けた決定は、党内の権力構造に何らかの変化が生じている可能性を印象づけるものとなっている。

台湾のシンクタンク「国防安全研究院」の研究員・沈明室氏は習近平が会議を主導したからといって、彼が唯一の決定権を握る体制に回帰したとは言えない。むしろ今回の変化は、『集中的な統一指導』という名目のもとで、一人独裁の枠組みを修正、あるいは回避しようとする試みと見なすことができ、集団指導体制への回帰を意図していると考えられると述べている。

今年5月21日から6月4日にかけて、習近平は約2週間にわたり公の場から姿を消し、政界で彼の権力が弱体化したとの見方が広がった。

また、軍内部では習近平の側近にあたる高官らが相次いで失脚や失踪を遂げ、外交分野でも異常な動きが頻発している。これらの一連の現象は、アメリカの主流メディアや政界関係者の注目を集めている。

6月27日、米陸軍の退役中将で元国家安全保障顧問のマイケル・フリン氏は、X(旧Twitter)上で「中国共産党国家において明白な権力交代が進行しており、その帰結は極めて重大である」との見方を示した。

翌28日には、元米国の上級外交官グレゴリー・スレイトン氏が米紙ニューヨーク・ポストに寄稿し、ここ数か月の状況を分析した上で、習近平の退陣が差し迫っている可能性に言及した。スレイトン氏はまた、中共の元老らが舞台裏で全てを掌握しているとの見解を示している。

『靖遠開講』の司会者・唐靖遠氏はフリン将軍が根拠のない情報をもとに軽率な投稿を行うことは決してない。信頼できる情報筋からの確証を得たうえで、中共内部で重大な事態が発生しているとX上で発信したと考えるべきだと述べている。

現在、海外では習近平の後継者に関する複数のシナリオが流布している。しかし、専門家の分析によると、中共政権は内政・外交の両面で深刻な危機を抱え、民衆の不満が渦巻く中、誰が権力を握っても体制の根本的な変革は難しいとされている。そのため、中国の再興には中共の体制そのものを解体する以外に道はないとする声が強まっている。

時事評論家の藍述氏は次のように述べている。

「中共の上層部がどのように人事を変えようとも、結局は『改革』という名のもとに、党の指導を堅持する方針に行き着く。しかし、党の指導体制が存在する限り、中華民族に真の未来は訪れない。真の未来を切り開くためには、あらゆる手段を通じて中共の体制を解体することが必要不可欠だ」

関連特集: 時事