SHEIN 虚偽の割引表示で仏当局から47億円罰金 6割のセールが実質値下げなし

2025/07/04 更新: 2025/07/04

フランスの反トラスト・消費者保護機関(DGCCRF)は7月3日、中国の電子商取引大手Sheinに対し、虚偽の割引表示など「欺瞞的な商行為」があったとして、4千万ユーロ(約68億円)の罰金を科したと発表した。

DGCCRFによると、同社はフランスでの販売を子会社「Infinite Style E-Commerce(ISEL)」を通じて展開しており、商品を割引価格で販売しているように見せかけながら、実際には値引きがなかったり、事前に価格を引き上げてから割引表示していたことが判明した。

フランスの消費者法では、割引の参考価格は過去30日間の最低価格でなければならないが、Sheinはこの規定を守っていなかったという。

調査は2022年10月から2023年8月にかけて、同社のフランス公式サイトで販売された数千点の商品を対象に行われた。調査結果によると、57%のセールが実際には値下げが行われておらず、19%は表示された割引率が実際よりも大きく見せられていた。さらに、11%は値引きではなく実際には値上げされていたことが判明した。

DGCCRFは「常態的に大幅な割引を訴える販売手法は、消費者に誤解を与える」と批判。さらに、環境配慮やサステナビリティに関する表示についても、誤解を招く可能性があると指摘した。

Shein側は罰金を受け入れ、異議は申し立てない方針を表明。AFPとロイターに対し、2023年3月に通知を受けた後、2か月以内に是正措置を講じ、違反行為はすでに解消済みだと説明した。

Sheinは2015年にフランス市場に参入し、近年売上を急拡大させている一方で、環境汚染や低賃金労働、不公平競争といった問題でもたびたび批判を受けている。

 

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