北京豪雨による洪水被害が拡大 警報通知なく死傷者数が増加

2025/08/01 更新: 2025/08/01

最近、北京では連日豪雨が発生し、市内ほぼすべてのダムが水門を開放して放水した。その中でも密雲ダムの放水量は、29日19時までに累計1億8千万立方メートルに達し、歴史的な記録を更新した。住民によると、多くの村人は放流の警報通知を受け取っていなかった。

北京では重大な洪水の被害を受け、数十人が死亡し、数百人が行方不明となっている。多くの市民は、当局が何の警告もなくダムの水門を開放して放水し、かえって災害を悪化させたと非難している。

現地の被災者は「水は現在は引いているが、ひどい有様だ。橋も流されてしまった」と語った。

北京市平谷区鎮羅営鎮関上村の住民、王氏は「放水があったのは朝の5時過ぎだ。全く通知がなかった。市民は何の準備もできず、多くの車が流され、人が流され、多くの行方不明者がいる」と述べた。

ネット上に流出した動画の映像には、密雲、延慶、懐柔など複数の地域で洪水が発生し、多くの村や老人ホームが水没している様子が映っている。村民は真夜中に窓から飛び降りて逃げ、老人ホームの高齢者たちは窓辺で助けを求めていた。

道路が流され、橋が壊れ、交通と通信が遮断され、多くの村は一時、外界との連絡が取れなくなった。北京市懐柔区琉璃廟鎮孫胡溝村の女性は泣きながら、村内の300人以上が逃げ出せず、生死が不明だと訴えている。

北京懐柔の被災者は「私たちの村には今もまだ330人が出られない。もしまた土石流がきたら、1人も残らないだろう」と訴えた。

しかし、中国共産党(中共)の党メディアは最初、28日夜の時点で「死傷者はまだいない」と報道した。中共上層部が重大な死傷者の発生を示した後、官製メディアは29日の朝になって、北京で30人が洪水で死亡したと報じ、外部から疑念や批判が寄せられた。

番組「ニュースポイント」の司会者李沐陽氏は次のように述べている。
「皆さん、明確なことだが、中共の官僚のやり方だと、重大な死傷事件が発生した場合、まず公式で死傷者数を発表し、メディアが転載し、その後で最高指導者が指示を出すことになっている。こんなに異常な流れの裏には必ず理由があるが、その理由はまだ分からない」

現在、水はほぼ引いているが、被災地は悲惨な状態だ。当局は情報を厳しく封鎖しており、北京密雲区の女性は家に水が入った動画を投稿しただけで、即座にアカウントを凍結された。

救援隊員の話によると、多くの被災地域では、当局が死者数の報告を禁じているそうだ。

救援隊員の張氏は「その時の水は本当に大きかった。家が倒壊し、車は水浸しになり、流されてきた車のいくつかは橋に引っかかっていた。(死亡は)30人では収まらない。私たちの知っている人数はまだ報告されていない」と発言した。

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