中国共産党政権の官製メディア、新華社通信など複数のメディアは10日、日本の報道機関を引用する形で、公明党が自民党との連立政権から離脱する意向を速報で伝えた。
公明党の支持母体である創価学会の池田大作名誉会長が1968年、「日中国交正常化提言」を発表し、以来同党は中国共産党(中共)との外交関係を深化してきた。現在も、同党幹部は訪中し、中共の高官と会談を続けている。
今年4月には斉藤鉄夫代表が訪中し、中共序列4位で人民政治協商会議主席の王滬寧氏と会談している。
こうした長年の関係から、公明党の離脱は高市早苗総裁率いる自民党の対中強硬路線をさらに強めるものとして中共にとって警戒する要因となるとみられる。
背景には、高市早苗総裁が今年4月に台湾を訪問して頼清徳総統と会談し、8月には靖国神社を参拝するなど、安全保障や外交面での姿勢の違いも影響していると推定する。
10日、自公両党の連立協議が決裂。1999年に始まった自公連立政権は、26年の歴史に幕を下ろす異例の事態となった。
高市総裁を警戒する中共
高市氏が自民党総裁に選出された際、中共政権は4日、「歴史や台湾をめぐる問題での政治的な約束を守ることを望む」「理性的で建設的な対中政策を取るよう期待する」などと発表し、早くも新総裁に対し牽制とも取れる発言を行った。
高市氏は9日、中国・内モンゴル自治区での人権侵害を議論する集会にメッセージを寄せ、同自治区で続く弾圧に「憤りを禁じ得ない」と述べ、中共による少数民族への抑圧を厳しく批判した。
これに対し、10日、中共外交部の郭嘉昆副報道局長は記者会見で「内政に干渉するものだ」と反発。日本政府に対して「厳重な抗議」を行ったことを明らかにした。
人権問題への正当な指摘を「内政干渉」と断じる姿勢は、国際社会で繰り返されてきた中共の慣例的な対応であり、体制批判への強い拒絶反応を改めて印象づけた。
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