米露が秘密協議 ロシア・ウクライナ和平計画28項目を起草

2025/11/21 更新: 2025/11/21

11月19日、ロイター通信は、ロシアが一晩にわたりウクライナ西部の都市リビウおよびテルノピルに大規模なミサイルと無人機による攻撃を実施したと報じた。この攻撃は再びウクライナのエネルギーインフラを標的にし、ウクライナ各地で緊急停電が発生した。

ウクライナ西部と国境を接するポーランドでは、自国の領空を守るため、南東部に位置するジェシュフおよびルブリン両空港を一時的に閉鎖し、ポーランドおよび同盟国の航空機を緊急展開した。

冬の到来が迫る中、モスクワはウクライナのエネルギーインフラへの攻撃を強化し、ウクライナを再び厳しい冬の状況に追い込もうとしている。

一方、ニュースサイトAxiosは18日、アメリカ・ロシア政府関係者の話として、ホワイトハウスとモスクワが秘密裏に協議を重ね、ロシア・ウクライナ戦争終結を目指す和平案を共同で策定していると伝えた。

関係筋によると、アメリカが提示した「28項目の和平計画」は、トランプ大統領がガザ和平合意を促進した経験を踏まえて着想したものだ。本計画は主にウクライナの平和と安全保障、ヨーロッパの安全、将来のアメリカ・キーウおよびモスクワの関係に重点を置いている。

ロシアは以前、キーウとの直接交渉において、ウクライナによるNATO加盟の意志放棄、非軍事化、そして現在キーウ政府が管理する領土の割譲など、複数の過激な要求を繰り返し提示してきた。現時点で、この「28項目計画」がこれらの問題、とりわけ最大の争点である領土問題をどのように扱うのかは明らかになっていない。

Axiosによると、匿名のアメリカ政府関係者が、スティーブ・ウィットコフアメリカ特使とキリル・ドミトリエフロシア特使が、この和平計画について踏み込んだ議論を行ったとしている。

ドミトリエフ氏は本計画に前向きな姿勢を示し「これまでとは異なり、今回は本当にロシアの立場が反映されていると感じている」と語った。また「これは事実上、より広範な枠組みであり、本質的には『どうすればヨーロッパに最終的かつ持続的な安全をもたらせるか。ただウクライナだけでなく』という趣旨のものだ」とも述べている。

ドミトリエフ氏によると、双方はトランプ大統領とロシアのプーチン大統領の次回会談前に、書面による文書をまとめる考えであるものの、当初予定されていたブダペスト首脳会議はいまだ開催の目途が立っていないと補足した。

一方、ウクライナおよびアメリカ政府関係者によれば、ウィットコフアメリカ特使は当初11月19日にトルコでゼレンスキー大統領と会談を予定していたが、この会談は延期されたということだ。

ウクライナ政府関係者はAxiosに対し、ウクライナのラスチム・ウメロフ国家安全・防衛会議書記が、1週間前にマイアミで行われた別の会談でウィットコフ氏と本件の秘密和平協議について話し合ったことを明らかにした。

Axiosは、ホワイトハウスがウクライナおよびヨーロッパの政府関係者に対し、この新たな計画の概要説明を始めたと報じている。アメリカ政府関係者は「大統領は今こそ殺戮をやめ、戦争終結の合意を締結すべき時だと明確に理解している。トランプ大統領は、双方が柔軟性を示せば、この無意味な戦争を終わらせるチャンスがあると信じている」と述べた。

 

関連特集: 国際