参議院総務委員会で12月2日、日本維新の会の石井苗子議員が、NHKで毎年12月31日に行われる紅白歌合戦の出場者のグループのメンバーが原子爆弾のキノコ雲を模したライトを「プリティ(可愛い)」と評価したことに対して、出場停止を求める声が上がっていることに触れ、NHK紅白歌合戦の出場者選考基準について質問した。
この物議を醸した投稿はSNS上で注目され、批判が拡大した結果、出場停止を求める署名が12月時点で10万人を超えた。石井議員は、こうした反応が起きている状況を踏まえ、NHKがどのように判断を整理したのか説明を求めた。
これに対し、NHKの山田専務理事は、問題となったメンバーについて所属事務所に確認し、「原爆被害を軽視・揶揄する意図はなかった」との回答を得ていると説明した。山田専務理事は、紅白出場者の選定について「今年の活躍、世論の支持、番組の企画演出にふさわしいか」の3点を基準にNHKが自主的に判断していると述べた上で、現時点で出場予定に変更はないとした。
石井議員は、SNS上の反応が急速に広がる現状に触れ、「何か月前以降は出場者の変更を行わない」といった規定を含む出場ガイドラインを設けることを提案した。議員は、こうした基準を事前に設けておくことで、番組制作側の判断過程を明確にできると主張した。
この提案に対し、NHKの稲葉会長は、出場者を巡る世論の動きは多様であり、「前もって累計化して対応方針を決めるのは難しい」と述べた。その上で、状況に応じて適切に判断していく考えを示している。
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