NHK元中国人スタッフに1100万円賠償命令 不適切発言で信用毀損

2025/09/01 更新: 2025/09/01

NHKの国際放送ラジオで「尖閣諸島は中国の領土」と発言した中国籍の元スタッフに対し、東京地裁は1日、NHKの信用を毀損したとして、請求通り1100万円の損害賠償を命じた。

問題の発言は昨年8月19日の中国語国際放送の生放送中に行われ、原稿にない内容として「尖閣は中国の領土」「南京大虐殺を忘れるな」「慰安婦を忘れるな」などが読み上げられた。

足立堅太裁判長は「NHKの放送内容の客観性や正確性に対する社会的信用が著しく損なわれた」と指摘。「国際放送業務を妨害した悪質な行為」と断じ、発言がNHK理事の辞任にまで発展した点を挙げて被害の深刻さを強調した。

被告の元スタッフはNHKの中国語ニュースで翻訳やアナウンス業務に関わるほか、企業や官公庁の中国向けビデオで中国語ナレーションも担当したという。放送後に日本を出国し、裁判には出廷せず、答弁書の提出も行わなかった。

清川茜
エポックタイムズ記者。経済、金融と社会問題について執筆している。大学では日本語と経営学を専攻。
関連特集: 社会