韓国の研究機関は、中国共産党(中共)政府が戦略鉱物や重要資源の輸出管理を強化しているとして、米中対立の長期化を背景に、世界のサプライチェーンへの影響が広がる可能性があるとする報告書をまとめた。
韓国貿易安全管理院が1月5日に公表した報告書によると、2025年上半期に中共税関当局が公表した輸出規制違反に関する行政処分は79件で、前年同期から7割以上増加した。執行の厳格化が鮮明となっている。
中共はレアアースや黒鉛などの戦略鉱物に対する規制を強めるとともに、2026年初めには「銀」を新たに輸出許可の対象に加え、管理品目を拡大した。これにより、外国企業のコンプライアンスリスクが高まり、対応の強化が求められている。
報告書は、トランプ2期目政権発足後、アメリカが関税引き上げや先端技術分野で対中規制を強めたことに対し、中共が対抗措置として輸出管理を拡大してきたと分析している。
また、輸出規制違反の多くは、軍事と民生の両方に利用可能な製品や戦略鉱物に関するもので、黒鉛や無人機関連製品などが含まれる。罰金も高額化しており、違反額を上回る罰金が科される例も目立っている。
最近、規制が始まった重要鉱物や希少金属、永久磁石材料についても、違反事例をすでに確認している。
執行面でも、違反に対する処罰を大幅に厳格化している。2024年には約9割の案件で減軽または軽減措置が適用され、加重処罰はなかったが、2025年上半期以降は高額な罰金が科される事例が顕著に増加した。
データによると、2025年上半期の平均罰金率は違反金額の106%に達し、前年同期の25%を大きく上回っている。第1四半期は平均44%だったが、第2四半期には178%へと急上昇した。
報告書は、中共の輸出管理が、これまで中核となる鉱物や幅広く使われる技術に限った受け身の対応から、将来を見据え、日常的かつ的確に運用される政策手段へと変わってきていると指摘している。一方で、こうした動きが世界のサプライチェーンにおける中国離れを加速させ、中国自身の経済や産業の発展に悪影響を及ぼす可能性があるとも述べている。
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