イラン市民 無料スターリンクで検閲回避

2026/01/10 更新: 2026/01/10

1月9日、中東のネットメディア「ミドル・イースト・オンライン」は、イランの市民が密輸されたスターリンク端末を通じ、期間限定で無料提供された衛星通信サービスを利用してインターネットに接続し、政府による検閲や通信規制を回避していると報じた。

イスラエルのチャンネル14によると、関係者は、イラン全土で通信遮断が行われた期間中、米実業家イーロン・マスク氏が抗議活動に参加する市民のため、秘密にスターリンクの無料接続を有効化し、一般のイラン人がオンライン状態を維持できるようにしたと明らかにした。

関係者によれば、マスク氏は抗議活動が続く間、通信サービスを無料で提供し続けることを約束し、スターリンクの経営陣に対し、イラン当局の妨害を防ぐよう指示したという。

イスラエル紙「タイムズ・オブ・イスラエル」は、イスラエル首相府のアルモグ・コーエン副大臣が今週初め、米国在住のイスラエル系ベンチャーキャピタリスト、ドヴィ・フランシス氏を通じて、イランで大規模な通信遮断が行われた場合でもスターリンクが国内で運用可能かどうか、マスク氏のチームに照会していたと伝えた。

イラン当局は国内で抗議活動が発生するたびに、組織化を抑え、情報の流通を制限する目的で通信を遮断してきた。1月8日には、ネットワーク監視団体ネットブロックスなどが、テヘランを含む各地でインターネット接続が急激に低下したと報告している。抗議活動の激化に伴い、国内各地でインターネットや電話サービスが大規模に停止した。

報道によると、イランはスターリンク計画をめぐり、国際電気通信連合(ITU)などの国際機関に抗議するとともに、通信を妨害する電波を発するなどの対抗措置を取っている。

低軌道衛星によるスターリンクの通信は、従来の地上通信網に比べて政府による遮断が難しいとされるが、利用には地上端末が必要で、イラン当局はこれに対して警告を出し、規制を強化しようとしている。

フランシス氏はコーエン副大臣からの照会を受けたことを認めたが、マスク氏と実際に協議したかどうかについては明らかにしていない。

9日には、X上で、スターリンク経由でイラン国内から送信されたとされる動画やメッセージを受け取ったとの投稿が相次ぎ、マスク氏に感謝する声も広がった。

制裁や輸出規制のため、マスク氏が一部地域にスターリンクの機器を直接提供しているわけではないが、危機時にはサービスを有効化して通信環境を確保してきた。こうした対応は、一部の抗議者や反体制派から「生命線」と受け止められている。

林燕
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