日銀は利上げを見送り 去年12月物価指数 目標を上回る 

2026/01/24 更新: 2026/01/24

総務省発表の2025年12月CPIは前年比2.1%上昇、日銀2%目標超えも利上げ見送り。コアCPI2.4%で鈍化も潜在インフレ圧力強まる。植田総裁「影響評価に時間必要」。

総務省が1月23日に発表したデータによれば、2025年12月の日本の消費者物価指数(コアCPI)は伸びが鈍化したものの、日本銀行(以下、日銀)の2%目標を依然として上回った。これを受け、市場では今後の利上げへの期待が高まっている。

同データによると、昨年12月の消費者物価総合指数は113.0(基準年2020年=100)となり、前年同月比2.1%上昇した。変動の大きい生鮮食品を除いた物価指数は112.2で、前年同月比2.4%上昇した。市場予想の中央値と一致したが、11月の3.0%上昇からは明らかに鈍化した。

専門家はインフレ鈍化の主因について、「昨年のエネルギーコスト急騰による基準効果の影響が大きい」と分析している。当時、日本政府が燃料補助金を停止したことがコスト上昇の要因となったという。

さらに、生鮮食品とエネルギーを除いた物価指数は111.5で、前年同月比2.9%上昇となった。この指標は潜在的なインフレ圧力を測る重要な参考値として、日銀が注視している。

日銀は最新の展望レポートで、2025年度と2026年度の経済成長見通しを上方修正した。また、2026年度のコアインフレ率予想を3カ月前の1.8%から1.9%へ引き上げた。これは、日銀が経済の緩やかな回復が続くとみており、物価見通しのリスクがバランスしているとの判断を示している。

日銀金融政策決定会合:金利0.75%据え置き決定の背景

1月23日、日銀は2日間にわたる金融政策決定会合を終了した。審議委員で理事会メンバーの高田肇氏が2回連続で利上げを提案したが、他の委員の支持を得られず、最終的に日銀は主要政策金利を0.75%に据え置くことを決定した。

過去の政策経過を振り返ると、日銀は2025年12月に金利を0.5%から0.75%へ引き上げている。当時の理由として、持続的な2%インフレ目標の実現に向けた着実な進展を挙げた。この判断は、10年にわたる大規模な金融緩和政策の終了を意味し、段階的な利上げへの転換を示したものだった。

現在、日銀は円安がもたらすインフレ圧力について慎重な姿勢を維持している。円安が企業に輸入コスト上昇分の価格転嫁を促し、潜在的なインフレ圧力を高める可能性があるためである。消費者物価指数の動向は、今後の利上げ時期を見極めるうえでの重要な指標とされている。

日銀の植田和男総裁は会合後の記者会見で、企業の資金需要は引き続き緩やかに増加しているが、現時点での利上げは時期尚早である。昨年12月に利上げを実施したばかりであり、その影響を評価するには一定の時間が必要だと述べた。そのうえで、銀行の貸出姿勢も引き続き積極的であり、日本の金融環境は依然として緩和的であると語った。

さらに植田総裁は、「今後も政策会合ごとに入手可能なデータを綿密に分析し、経済・物価の動向、リスク、そして予測の実現可能性について見解を更新していく。もし日銀の経済・物価見通しが実現すれば、利上げを継続する。利上げの道筋やペースは、その時点の経済、物価、金融の状況次第である」と述べた。

呉瑞昌
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