張又俠失脚発表直前 軍が「臨戦状態」に移行か 北京の軍関係者

2026/01/31 更新: 2026/01/31

複数の中共軍関係者によると、1月24日に中央軍事委員会副主席の張又俠が失脚したことが公式に発表される数時間前、軍事委員会は「臨戦状態」に相当する最高水準の統制措置を発動していたという。内部の混乱や突発的な事態を防ぐ狙いがあったとみられる。

1月30日、軍関係者の劉建氏は大紀元に対し、24日当日、軍事委員会のシステムが突如として最高レベルの警備体制に移行したと明らかにした。

「状況は非常に突然で、何が起きているのか分からなかった。ただ国防部から重要な発表があるらしい、という話は耳にしていた。しかし、『臨戦状態』まで引き上げられたのは意外だった。というのも、その時点で最高指導部の外遊はなかったからだ」

劉建氏によると、その数時間後に国防部が張又俠の失脚を発表し、軍内部では大きな衝撃が走った。多くの人はその時点で初めて、先に発動された「臨戦状態」の真の狙いを次第に理解したという。

劉建氏は、「後になって分かったが、内部で何かが起きるのを防ぐためだったのだろう。軍内で異常事態が発生することを警戒していたのかもしれない」と語った。

さらに劉氏は、当日、中央軍事委員会の庁舎周辺で警備が明らかに強化され、中央警衛局の要員が大量に投入されたと証言した。

「コンピューターや資料、箱詰めされた書類が運び出されるのを目にした。現場は非常に緊迫した雰囲気だった」

軍事専門家の劉振強(仮名)氏は、中共体制における「臨戦状態」について、必ずしも対外戦争への準備を意味するものではないと指摘する。
これはいわゆる「政治的安全」を最優先とする高い警戒水準の運用状態を指す。中共のトップが外遊する際、軍は国内での突発事態や内部の混乱を防ぐ目的で、通常この水準の統制体制に入るとされ、外部との軍事衝突を想定したものではない。

山東省出身の退役軍人・盧さんも、「臨戦状態」はこれまで、習近平の外遊期間や重大な政治事件の節目で用いられることが多かったとした上で、「今回はそうした条件がない中で突然発動され、軍内部では異常なシグナルと受け止められている」と述べた。

張又俠をめぐる一連の出来事が公になった後、中共の国防体制は近年でも比較的脆弱な段階に入ったとの見方が広がっている。軍が最近示している異常とも言える高度な戒備状態は、そうした不安定さを反映しているとされる。

軍関係者は、習近平は軍事委員会主席ではあるものの、実際に部隊を直接指揮しているわけではないと指摘する。一方、最近昇進した張升民(ちょう しょうみん)は、長年にわたり文職や紀律検査分野を担当してきた人物で、実戦部隊の指揮権を握ってきた張又俠や劉振立と比べると、軍内での影響力は限定的だという。

このような権力構造の下で、軍内部では各戦区の部隊が、張又俠以外の人物の命令に従うのかという懸念も浮上している。

現在の中共が極度に緊張した状態にあることは、指導部が軍の信頼性そのものに不安を抱いている表れだと指摘されている。歴史的に見ても、政権が自らの体制不安を抑え込むために軍への依存を強め始めた時、その安全構造は往々にして脆弱な段階に入るとされている。