中国 消えた息子を追い続ける上海の母親

中国で4歳児失踪から27年 家1軒でも届かぬ手がかり

2026/03/27 更新: 2026/03/27

「もしかしたら、どこかで生きているかもしれない」

その思いだけで、27年を生きてきた母親がいる。中国・上海の唐蔚華(とう・いか)さんは、4歳で姿を消した息子を探し続けている。

息子の王磊(おう らい)ちゃんは1999年、一家が経営していた工場で働いていた男に連れ去られた。その後、男の地元に連れて行かれたまま行方が分からなくなった。

それから唐さんは、全国を回って探し続けた。交通費や宿泊費などの出費は積み上がり、費やした金額は約400万元、日本円でおよそ8千万円にのぼる。それでも、確かな手がかりは一つも見つかっていない。

2023年、唐さんは最後の望みとして、上海市内の日本円で数千万円の価値がある住宅1軒を「決定的な情報」への報酬として提示した。しかし、その後も有力な手がかりは得られず、王さんは今も見つかっていない。

長年にわたり、中国では多くの子供や少年が行方不明となっており、見つかるケースはごくわずかで、深刻な社会問題の一つとなっている。

近年は、家族探しを支えてきた民間のサイトが閉鎖されるなど、情報を集める手段も減っている。被害者の家族にとっては、「探したくても探せない」現実が広がりつつある。

子供がいなくなった日から、唐さんの時間は止まったままだ。記憶の中には、4歳のままの姿だけが残り続けている。終わりの見えない捜索。それでも探し続けるしかない。

それが、この母親に残された、たった一つの生きる理由なのかもしれない。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
関連特集: 中国