米裁判所 中国出身夫婦の市民権剥奪 営業秘密窃取で有罪

2026/04/01 更新: 2026/04/01

アメリカで企業の営業秘密を盗み、中国側に提供していたとして有罪判決を受けた中国出身の夫婦が、市民権を剥奪された。3月30日、米カリフォルニア州南部地区連邦地裁のジェームズ・E・シモンズ・ジュニア判事は、オハイオ州在住のジョウ・ユーとチェン・リーについて、入籍に必要な「善良な道徳的性格」を満たしていないと認定し、市民権の取り消しを命じた。違法行為によって道徳的資質が著しく損なわれており、市民権は不正に取得されたものだと判断した。

米司法省によると、両被告は入国当時、中国国籍だった。チェンは2007年、米国立小児病院の支援を受けてH-1Bビザで入国し、その後「卓越した能力の保持者」として永住権を取得した。

ジョウも2008年、同じく米国立小児病院の支援でH-1Bビザにより入国し、2011年にチェンの配偶者として在留資格を変更し永住権を取得した。チェンは2016年、ジョウは2017年にそれぞれアメリカに帰化した。

2人は同病院で10年以上勤務する一方、児童疾患の研究や診断、治療に用いられる「エクソソーム」に関する営業秘密を不正に取得し、中国で「北京捷騰生技公司」(Beijing Genexosome)を設立。盗み出した営業秘密をもとに事業を展開し、2017年には同社をナスダック上場企業のアバロン・グロボケア社に売却し、約150万ドルの利益を得ていた。

2019年7月、2人は米カリフォルニア州で逮捕された。その後、いずれも罪を認め、2021年に判決が言い渡された。チェンは禁錮30か月と出所後3年の保護観察、周は禁錮33か月と同じく3年の保護観察のほか、260万ドル以上の賠償を命じられた。

裁判所は、両被告の電信詐欺などの行為が道徳的非行に当たる犯罪に該当すると認定。これが市民権取り消しの十分な根拠になるとした。また、減軽すべき事情は認められず、営業秘密の窃取や詐欺の共謀はいずれも善良な道徳的性格の要件を損なう重大な違法行為であり、市民権剥奪の独立した理由になると判断した。

米司法省のボンディ長官は声明で、「米国民に対して重大な犯罪を犯しながら市民権を維持することは、移民制度の容認できない濫用だ」と指摘。また、「今回の帰化取り消し事案は、市民権が濫用される権利ではなく、自ら勝ち取るべき特権であり続けることを徹底するという、司法省の強い姿勢を示すものだ」と付け加えた。

また、司法省民事局のブレット・シュメイト司法次官補は「入籍は権利ではなく、この国の人々が与える特権だ。アメリカの移民制度の寛容さが濫用された場合、制度はそれを正す」と述べた。

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