ウォーシュ氏 FRB次期議長へ前進 米上院が動議可決

2026/05/12 更新: 2026/05/12

米上院は11日夜、ケビン・ウォーシュ氏を米FRB議長に起用する人事案をめぐり、49対44で手続き上の動議を可決し、承認に向けた手続きを前進させた。

これにより、ウォーシュ氏が今週、15日で任期満了となるパウエル議長の後任に就く可能性が高まった。上院は12日に同氏のFRB理事就任を承認し、13日に新たなFRB議長として正式に承認する見通しだ。

投票はおおむね党派別に分かれた。民主党からは、フェッターマン上院議員と、クーンズ上院議員の2人のみが賛成に回った。

2014年にパウエル氏が理事に指名された際には58票の賛成を得たが、今回のウォーシュ氏への超党派の支持は限定的だった。FRBの今後の方向性をめぐり、議会内の隔たりがあることをうかがわせる結果となった。

ウォーシュ氏、FRB改革と金融政策の独立性を強調

ウォーシュ氏は、2008年の金融危機時にFRB理事を務めた。指名承認公聴会では、FRBの運営体制を見直す「制度変革」を進める考えを示した。具体的には、金融政策以外の分野で財務省や政権側との連携を強化することや、FRBのバランスシート縮小に取り組むことなどを挙げた。

市場の関心が高い金利政策については、トランプ大統領がウォーシュ氏に利下げへの期待を示していたものの、ウォーシュ氏は政権側に対し、いかなる約束もしていないと強調した。

ウォーシュ氏は公聴会で、「大統領が私に対し、特定の金利決定について約束を求めたことは一度もない。断じてない。仮に求められたとしても、私は応じない」と明言した。

この人事案は、上院銀行委員会で政治的対立により一時停滞していた。しかし、司法省が現職のパウエル議長に対する調査を取り下げた後、共和党のトム・ティリス上院議員が支持に回ったことで、指名承認手続きが前進した。

これまでトランプ政権とFRBの間では、FRB本部の改修計画をめぐる調査、リサ・クック理事の人事をめぐる対立、金利政策をめぐる意見の相違などを背景に、中央銀行の独立性をめぐる議論が起きていた。

パウエル氏のFRB理事としての任期は2028年まで残る。同氏は最近、FRBが直面している法的・政治的圧力に懸念を示し、FRB本部の改修計画をめぐる調査が完全に終わり、その過程と結果が透明性を持って公表されるまで、理事として留任する考えを示している。

ウォーシュ氏の指名が順調に承認されれば、6月16、17日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)を、議長として初めて主宰することになる。

FRBは前回会合で、政策金利を3.50〜3.75%に据え置いた。当時、一部の委員は利上げに前向きな姿勢を示しており、新議長が今後、委員会内の意見をどう集約するかが市場の焦点となる。

陳霆
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