Astemo レアアース不使用のEVモーター開発 中共の輸出規制リスクに備え

2026/06/25 更新: 2026/06/25

中国共産党当局が日本向けの重要鉱物の輸出管理を強めるなか、自動車関連企業はリスクを抑えるため、レアアースに頼らない供給網づくりを模索している。

共同通信は6月23日、自動車部品大手Astemoが昨年10月、独自技術により、EV向けの新型モーターを開発したと報じた。このモーターは、高性能磁石に使われるレアアースのネオジムを使わず、鉄を主な材料とする。特殊な構造により、従来型モーターと同等の高出力性能を実現したという。

Astemoは、車種ごとのニーズに応じて2種類のモーターを組み合わせ、2030年前後の実用化を目指している。

台湾南華大学国際事務・企業学科の孫国祥教授は、「最も重要で、レアアースの使用量も多い駆動用モーターで脱レアアース化が進めば、中共政権による輸出規制が日本のEV産業に及ぼす影響力は大きく低下する」と指摘した。

報道によると、2010年に尖閣諸島周辺で中国漁船衝突事件が起きた後、日本の自動車業界は中共によるレアアース輸出規制の影響を受け、レアアースの使用量を減らす技術開発を進めてきた。

台湾国防大学政治作戦学院の余宗基前院長は、「日本は中国へのレアアース依存を下げるため、すでに数年分を備蓄している。そのため、短期的に供給が止まっても、大きな影響は受けにくい。2010年には中国への依存度が90%を超えていたが、今年はすでに60%を下回っている」と述べた。

昨年11月、高市早苗首相が国会で「台湾有事」に言及したことに中共当局が反発し、今年1月から軍民両用物資を対象に、日本向けの輸出規制を拡大した。これにより、国際社会では供給網の問題に再び注目が集まっている。

孫氏は、「オーストラリア、日本、アメリカなども、中共に依存しない採掘、精錬、磁石製造までの供給網づくりを加速させている」と述べた。

その上で、「中共がレアアースを使って他国への制裁を繰り返せば、かえってAstemoのような脱レアアース技術の開発を後押しし、各国による代替サプライチェーンへの支援を促すことになる。結果として、中国の独占的な優位性は徐々に弱まっていくだろう。レアアースは、一度で決定打となる武器ではなく、長期的な技術・安全保障競争の切り札になっていく」と分析した。

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