中国 カメラは増えても、消えない犯罪と失踪

中国の村、1本の柱にカメラ84台 それでも失踪者は見つからない

2026/10/07 更新: 2026/10/06

街を歩けば監視カメラ、教室内や農村にも監視カメラ。中国はどこへ行っても監視カメラだらけだ。

それだけ見張っていれば、さぞ犯罪捜査も行方不明者の捜索も万全かと思いきや、犯罪は起き、子供が行方不明になっても見つからないケースは後を絶たない。

そんな中国で、「さすがに付けすぎでは?」と目を疑う光景が話題になった。江西省の農村で、一本の柱に、なんと84台もの監視カメラがびっしり取り付けられていたのだ。

訪れた観光客があまりの多さに数えたところ、84台あったという。ただし、村側(萍郷市槽下村)によると、実際に使われているのは1台だけ。残る83台は壊れたカメラを並べた「撮影スポット」だという。

とはいえ、中国でカメラが大量に並ぶ光景そのものは珍しくない。今年4月には山東省青島市の交差点でも、2本の柱に18台の監視カメラが設置されていることが話題になった。このうち12台はすでに使用停止していたが、6台は実際に使われていた。

中国では、都市部の「天網」、農村部の「雪亮」と呼ばれる国家プロジェクトで監視網を拡大。顔認証も活用し、全国に巨大な監視網を築いてきた。

その規模はどれほどか。政府は総数を公表していないが、市場調査(2022年)では、中国の公共・商用監視カメラは約6億~7億台と推計されている。世界最大規模だ。

皮肉なのは、これだけ監視カメラがあるのに、子供の失踪や学校での不審な転落死など、事件性が疑われたり、地元当局にとって都合の悪い問題になると、肝心の映像が「故障」「死角」「保存されていない」などとして出てこないことだ。

こうした「都合の悪い時だけ見えなくなる」現象は、中国のネットで「選択性失明(選択的失明)」「(共産)党性の強いカメラ」などと皮肉られ、すっかりおなじみの揶揄となっている。

 

イメージ画像。北京の天安門広場の一角に設置された監視カメラ(Greg Baker/AFP via Getty Images)
李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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