【大紀元日本1月24日】国連安保理がイラン核開発問題に介入することの是非について、中国外交部のスポークスマン孔泉氏は19日の記者会見で、「話し合いは危機を避けるための賢明な手段である」と述べ、安保理付託よりも対話継続を主張した。ドイチェ・ベレ(ドイツの声)が伝えた。
中国側代表は先週のロンドン会談で、国際原子力機関(IAEA)緊急理事会を開く事に同意したが、イラン問題を国連安保理に付託することについて、中国は終始沈黙を守った。少し前にも、中国の王光亜・国連大使が、安保理の介入は問題を複雑化する恐れがあると示した。
石油輸入の増加
1950年代に大慶油田の発掘に成功し、アジア最大の石油輸出国となった中国は、十数年前まで自給自足で石油をまかなっていた。しかし、1980年代の改革開廟xun_ネ降、経済発展に伴い国内のエネルギー需要が増え、状況は急激に変化した。石油は化学工業にとって重要な工業原料でもあり、1993年以来中国は、輸出国から輸入国へ転じた。
さらに、人口13億人の中国は、現在2千万台の自動車を有しているが、その台数は15年後に現在の7倍になると推定されている。現在、中国はすでに世界で第2の石油輸入大国となっており、日進月歩の経済発展が中国にもたらした変化は想像以上のものである。2004年、中国のエネルギー需要の増加に伴い、海外からの石油輸入量は31%増加した。
中国は毎日イランから30万バレルの原油を輸入しており、その量は全輸入量の15%を占める。2004年10月、北京とテヘラン当局は580億ユーロの和解覚書を交わし、イランの石油および天然ガスの共同開発に合意した。これにより、中国は備蓄量豊富なヤダバラン油田の開発権利を取得し、イランより毎年2.5億トンの液化天然ガスを輸入する見通しとなった。米国と欧州主要国が目指す安保理付託による経済制裁をイランに対して行えば、テヘラン当局は石油輸出を制限する行動に出ると見られ、世界原油市場の値上げによる混乱が憂慮されている。
最後の決定
中国はイランとの利害関係があるため、イランに対する経済制裁を可能にする安保理付託には消極的だ。現時点では、中国がイランに対して圧力をかけることはないとみられている。中国は歴史的に否決権を行使するよりも棄権することを好む傾向にあり、各方面の関係者が態度を表明する前に、中国が決定を出すことはないだろう。
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