【大紀元日本5月26日】浙江省寧波市経済貿易職業中等専門学校である第九中学校医学英語専攻の高校3年生とその親たち約百人は5月21日より3日間連続で、地元教育局および市政府前でデモを行い、同校は卒業証書の発行と卒業後の進路について約束を果たしていないと抗議した。市政府は翌日の22日に数十人の武装警察を派遣し、抗議者を鎮圧した。
一方、抗議現場を写真に収めようとした通行者は警察に連行され、生徒代表と応援する市民は警察の暴力を受けたため、抗議者らの怒りを買い、現場は爆発寸前の状況であった。寧波市副市長、教育局副局長など十数人の政府側責任者は圧力を受け、一部の生徒および親に応対したが、生徒たちが学校側の生徒募集広告内容を誤解したと解釈している。
24日、2人の生徒および親はあまりの怒りで倒れて病院へ運ばれた。また、飛び降り自殺をしようとする生徒も現れたが、止められた。生徒たちは地元教育局および学校側に対して、納得のいく回答がなければ、抗議し続けると憤りを表した。
一方、生徒たちはこの事件を報道するように、地元メディアに依頼したが、拒否された。生徒たちは「メディアは政府のためだけに情報を発信し、人民のために何もしない」と怒った。
2007年5月23日、市政府前で抗議する寧波市第九中学校医学英語専門高校3年生生徒および親たち(第九中学校生徒提供)
*市民に対して暴力を振るう警察
病院へ運ばれた同校級長・王さんは同紙の取材に対して、「生徒49人とその親たち30~40人が共に市政府前で抗議を行った。現場を写真に収めた同級生は武装警察にカメラを奪われ、カメラを取り戻そうとして、警察に問いかけた時に、警察につき離された上、ひどく殴られた。警察の暴力を止めようとした通行人も、警察の暴力を受けた」と状況を説明した。
一方、通りかかった郭さんは現場の写真を撮ろうとしたが、その場で市政府警察に連行された。生徒たちの強い抗議の下、一時間半後に解放された。
(第九中学校生徒提供)
*生徒を騙し続けた学校側
前出の王さんによると、当初第九中学校が生徒募集したときに、医学英語専攻は医学看護学に属し、寧波天一職業技術学院(大学と同程度の専門学校)と連携しており、その学校の予備クラスとされ、3年後はその学校へ編入し、看護学を専攻することができるか、または、病院への就職もできるとし、学校側は100%の進学・就業を保証するとの説明だったという。
しかし、生徒たちは3年後卒業を迎える時期になって初めて学校側が急に、医学英語専攻は医薬関係に属さず、同専攻卒業生は天一職業技術学院の生徒募集の対象にならないとし、この卒業証書も病院側の人事募集に認められておらず、衛生局も同様だと発表した。
王さんは「第九中学校は同省の一級重点職業訓練学校であり、信頼できる場所であるにも関わらず、我々を3年間も騙し続けた」と憤りを表した。
*問題解決を回避続ける校長
一方、第九中学校校長は今回の件に関して、政府当局も尽力して解決しようとしているとした。また、生徒募集時に保証した内容と現在の話が違うことについて、ごまかして逃れた。
寧波第九中学校のホームページ
*学校側を弁護する地元政府
王さんによると、今回の抗議に対して、地元副市長、教育副局長、衛生局、労働局の上層部十数人が代表生徒および親に応対したが、話し合いの中で、生徒たちが学校側の募集広告内容を誤解し、当局は常に学校側を弁護した。さらに、医学英語専攻は医薬関係に属さないと固く主張したという。
一方、地元当局は大学受験終了後、1年間の訓練を受ける提案をしたが、王さんは、当局は言い逃れをし、生徒たちをさらに騙そうとしていると指摘した。生徒たちは交渉の結果を知り、絶望的になり、受験を止めて満足の行く結果を得るまで抗議し続けることに決めたという。
*学校側が卒業証書捏造
前期卒業生の話しによると、就職時に提出した同校の卒業証書はどこも認めてくれなかったという。この卒業生は「当時、学校側の募集広告で、同校は寧波衛生学校と提携しており、その学校の予備クラスだというが、実際にその学校へ編入したのは66人クラスの中の3人のみだ」と学校側のうそを明らかにした。
この卒業生はさらに「学校にいた3年間は実習のクラスはなかった。しかし、浙江省は職業専門学校高校生は2年間の理論と1年間の実習と規定されている。学校側が我々を卒業させるために、卒業証書を捏造した。証書には薬学実習になっており、医学関係の看護実習ではない。うその卒業証書のために私たちは就職できなかった」と語った。
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