【大紀元日本8月27日】ギリシア・アテネで点火し、ドイツ・ベルリンで引き継がれた人権聖火は、現地時間8月25日午前11時にミュンヘン入りし、オリンピック公園で聖火リレーが引き継がれた。ドイツ各地から来た約200人の民衆は7キロメートルにわたる聖火リレーに参加した。聖火は、ミュンヘン・フリーダム・スクエアおよびオディアン・スクエアを通り、市政府庁舎所在地のマリーン・プラザで、「ミュンヘン人権聖火を迎える」屋外コンサートと合流し、各界へ北京五輪開催の前に、中国の人権問題を重視するよう呼びかけた。
今回の聖火リレー活動は、カナダ外務省元アジア大洋州局長のデービッド・キルガー氏および国際人権弁護士デービット・マタス氏が率いる「法輪功(FalunGong=ファールンゴン)迫害真相連合調査団(CIPFG)」、ドイツ人権団体「国際人権協会(IGFM、本部・フランクフルト)」、「共産暴力全体主義の被害者」協会連盟および「共産全体主義の被害者」図書館協会が主催し、中国民主戦線、全独学校連盟および内モンゴル人民党等の団体が協賛した。
集会で、「法輪功迫害真相連合調査団(CIPFG)」の代表は、独メルケル首相に宛てた公開書簡を読み上げた。それに次いで、CIPFGの声明、ドイツ国際人権協会(IGFM)ミュンヘン支部責任者のジョゴン・ティラク氏、中国民主戦線主席の費良勇氏および法輪功のために直訴し、中国共産党に迫害され死亡した学習者の未亡人・戴志珍さんもそれぞれが発言し、ドイツ聖火リレー伝達使者、前東独陸上選手のアイネス・ガイペル教授が寄せたメッセージを発表した。
*CIPFGが独メルケル首相に宛てた書簡
発起人の1人であるデービッド・キルガー氏と、CIPFG4大支部団長・北米支部団長のルブン・バーク氏(ユダヤの指導者で学者である。カナダ東部腎臓基金会臓器提供委員会主席)、欧州支部団長:カロリン・コカス氏( 英国上院議員)、アジア支部団長:頼清徳氏(台湾立法委員)、豪州支部団長:アンドリュー・バレット氏(豪州議会議員)は、世界各国政界要人、宗教指導者、弁護士、医者および人権活動家の委託を受け、独メルケル首相宛に、中国政府が法輪功に対する迫害を直ちに停止させることを呼びかけた。また、首相が26日からの訪中に、CIPFGの書簡を胡錦濤・中国国家主席および温家宝首相に手渡すよう求めた。
一方、胡・温両氏に宛てた書簡の中で、「法輪功迫害真相連合調査団(CIPFG)」は厳粛な態度にて中国共産党政権に対して3つのことを要求した。すなわち、①直ちに監禁されたすべての法輪功学習者を解放すること②法輪功学習者の権益を守り、声援する人権弁護士および正義たる人士(例えば、高智晟氏、力虹氏など)への迫害を停止すること③生きた法輪功学習者を対象に行っている臓器狩りの指摘について、国際社会が当局によって、制限されることなく独立調査を行えること。
*大量虐殺と五輪は同時に存在してはならない
ドイツ国際人権協会(IGFM)ミュンヘン支部責任者のジョゴン・ティラク氏は、同協会は非暴力方式で人権のために奮闘する人々およびそのために迫害された人々を応援する公益団体であると紹介した。また、世界中の人々が人権を享受できるようにすでに30年以上活動していると示し、同協会ミュンヘン支部の重点は中国およびチベットの人権問題に置いているという。北京五輪開幕までに残りは1年だが、中国反体制派、民主活動家、チベット亡命政府および新疆関連団体の何れも、中国の人権状況は少しも改善されていないと示していることに言及し、同協会も中国当局は人権改善に対して如何なる努力もしていないとの見解を示した。
ティラク氏は、法輪功が迫害されていることからみても、中国の人権は反って大きく後退したとし、2008年のオリンピックは中国では開催してはならないとし、大量虐殺は決して五輪と同時に存在してはならないと強く主張した。
*歴史の過ちの繰り返してはいけない
豪州法輪功学習者・戴志珍さんの夫は、法輪功を学習したことで2001年7月に中国の警察に拷問され死亡した。のち、戴さんは娘を連れて世界中を巡り、中国当局による法輪功への迫害を訴え続けた。戴さんは発言の中で、「数日前に、ミュンヘンのダッハウ強制収容所を見学した。笑顔でそこから出てくる人は誰もいなかった。今現在、中国で起きている生きた法輪功学習者を対象にした臓器狩り事件は、それと同じ失敗を繰り返すことになるのだ。我々は何とかして、歴史の過ちの繰り返しはくい止めなければいけない」と強調した。
*中共の人権蹂躙、中国人が一番よく分かる
内モンゴル人民党の海明・主席は、中国共産党(中共)統治下の中国は世界でもっとも暗黒の場所で、人権を蹂躙し破壊する邪悪の中心であると指摘した。海主席は、中共はキリスト教家庭教会および法輪功などの団体に対して、残酷な弾圧を強い、法輪功学習者に対する臓器狩りは、良心をすっかり失っている現われだと強調した。一方、中共は狂ったようにモンゴルの草原を破壊し、豊富な地下資源を略奪し、モンゴル人民に対して文化同化政策を行ったため、モンゴルの言語が消えつつあると指摘した。五輪が北京で開催することは、ドイツ・ナチスのベルリン・オリンピックの繰り返しだとし、すべての人類にとって恥辱であると強調した。
*五輪ファン、民衆が聖火リレーに参加
ドイツ西部から来た五輪ファンのネリンさんは、チラシでこのリレーを知った。さらに、インターネットで人権聖火についてより詳しい情報を入手し、リレーに参加することを決めた。ネリンさんは「国際オリンピック委員会は、人権を守る主催国の選定に責任があり、中国に対しても同様に扱わなければならない。五輪期間中に、人々が拷問・殺害され、臓器を強制的に摘出されることが発生するようであれば、五輪は北京では開催してはならない。何故なら、そこで五輪を開催すれば、五輪の思想、提唱する平和、友情および公正の精神が完全に消滅し、オリンピック委員会の信用も失うからだ」と強調した。
人権聖火リレー活動はドイツ民衆の注目を集め、公園で散歩する人やジョギングする人々もリレーに参加し、全行程を走った人々もいた。その中に、マリーン・プラザで今回の活動を知った14歳の双子サリちゃんとソニアちゃんは、中国で法輪功学習者が気功の練習をするだけで迫害されることに対して信じ難いとし、人権を訴える聖火リレーは非常に有意義だとし、応援に参加したという。
*ミュンヘン屋外コンサート
同日午後2時30分、リレーランナーたちは約7キロメートルのコースを終え、欧州「カンミング・フォー・ユー」コーラスの「人権聖火の歌」に迎えられ、繁華街のマリーン・プラザの屋外コンサート会場に到達した。前出の戴さんの娘・法度(ファドゥ)ちゃんが人権聖火を次のリレーランナーのチェコスロバギア代表に渡した。
主催側は、ベルリンおよびミュンヘンの後に、人権聖火リレーはこれから先の1年間に、世界五大陸の30カ国、100以上の都市を通過する予定。
(記者・豊山総合報道)
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